内容説明
五感全開で山野を駆け、小鮒獲りに夢中だった少年期、江戸川乱歩の小説に熱狂した十代前半、高校美術部での恩師との出会い、純でエロティックな性の目覚めと年上の女性への憧れ―。グラフィック・デサイナー、画家として斬新な作品を世に残してきた天才芸術家が自身の十代の青春をみずみずしい感性で綴る。
著者等紹介
横尾忠則[ヨコオタダノリ]
1936年、兵庫県生まれ。69年パリ青年ビエンナーレ展版画大賞を受賞。72年にニューヨーク近代美術館で個展を開き、国際的に高い評価を得る。81年、グラフィック・デザイナーから画家に転向。パリ、ベニス、サンパウロ、バングラデシュの各ビエンナーレに出品。95年毎日芸術賞、96~99年ニューヨークADC賞を受賞し、翌年に殿堂入り。01年、紫綬褒章を受けた。現在、多摩美術大学教授を務める
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感想・レビュー
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holly
1
非常に多感な思春期を過ごされていて、読んでいて若返ったような気分に浸ることができる。2019/12/18
cocobymidinette
1
ううう、おもしろい。小説よりも奇なりにもほどがある。民俗学のような少年時代から、60年代青春文学のような青年時代へ。どう見ても特別な部分と、普通の男の子としての感覚。そのバランスのとれていなさ。これがどう横尾ワールドに結実するのか、続編も読みます。2018/01/28
道草キャラバン
0
横尾忠則さんの自伝。内気で運動神経も悪く優柔不断で、という風に10代の頃を振り返っているけれど、これだけ周囲の人が可愛がってくれていたのだから、本人が意識していたかどうかはわからないけれど「人としての魅力」が当時からあふれ出ていたのだろう。特に女性から幾度も積極的に(セクシュアルに)アプローチをかけられているところなどは、男の立場からすると「なんでそんな羨ましいことが…」と思わずにはいられなかった。2016/02/12
のん
0
作者自身が言うほど幼稚な人物じゃない。導かれて今があるのだなぁ。
kei
0
意外と複雑な家庭環境で、でも幸せに育ってこられたんだなあと。兵庫県立美術館の横尾忠則展もよかったです2008/07/01