内容説明
「愛子女史って、ホント、素朴な人なんですねえ…純情っていうのかな?」と青年―いや若造はいった。「ほとんど、カワイイといってもいいほどで」私は黙った。ああ、と長歎息する思いだった。この私がカワイイ?こんな若造にそういわれる日がくるとは!人気不滅の円熟エッセイ第6弾。
目次
退きどき
サトマギ
想像力の問題
毒笑い
春の旅
なぜ小説を書くか
ヤケクソ献体
国を想いかく夢む
この道は誰もが通る道
雀百まで
これでいいのだ!
誕生日の感懐
ああ、川上宗薫
手箱の中
不愉快!
不倫…ム、ム、ム
追憶考
花散る日に思う
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12年大阪生まれ。甲南高女卒業。戦後、「文芸首都」の同人となり、小説を書き始める。昭和44年「戦いすんで日が暮れて」で第61回直木賞を、昭和54年「幸福の絵」で第18回女流文学賞を受賞。父の作家・佐藤紅緑、異母兄のサトウハチローを始め、佐藤家の人々の凄絶な生の姿を描いた大河小説「血脈」の完成により、平成12年第48回菊池寛賞を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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