内容説明
福原遷都を強行した清盛だが、頼朝の伊豆挙兵を機に、各地で源氏が蜂起、また富士川の合戦前夜には平家軍が戦わずして無残に敗走、と憤懣やるかたない日々が続く。わずか5ヵ月で京へ都返り、それから程なく原因不明の熱病により、ついに清盛は力尽きる―栄華を極めていた平家の、没落への序曲を描く著者畢生の大作、第3巻。
著者等紹介
宮尾登美子[ミヤオトミコ]
大正15(1926)年、高知市に生れる。昭和37年「連」で婦人公論女流新人賞を受賞。さらに48年「櫂」で太宰治賞を、52年「寒椿」で女流文学賞を、54年「一絃の琴」で直木賞を、58年「序の舞」で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。平成元年、紫綬褒章受章。平成20年、第56回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
22
遂に平家が都落ちをしました。時の流れや勢いというものを感じます。まさしく盛者必衰の理をあらはすを見せる巻であり、平家物語のメインが始まったと思います。清盛の最期の描写は迫力を感じました。2023/11/07
noémi
7
栄耀栄華を誇った平家の時代は清盛の死で終焉を迎えた。失ってみるとどれだけ清盛という人物が傑物だったのかがわかる。本来の血統である殿上人的カリスマ性と、武門の猛々しさを併せ持った唯一無二の存在だった。世の中の先を見越した政治的手腕もあった。だが、数えきれないほど子や孫は増えたにもかかわらず、ついに後継者には恵まれることがなかった。清盛亡きあとは、雑魚ばかり・・・。維盛の惨敗につぐ惨敗。小さなことに拘泥してばかりいる宗盛。とうとう源氏は京師にまで迫ってきた。追い詰められた平氏は意を決して都落ちすることにする。2012/08/18
サティ
3
時子は、公平な判断をする人だと感じました。なかなか出来ないことだと思います。2012/06/09
ぽつねん
2
平家勢力の衰え著しい第三巻。清盛の死去、院政の復活、源氏の台頭、連戦連敗、都落ち―一気に滅ぼされるのではなく、じわじわ…じわじわ…と滅亡へ向かうのを読書であれ追体験するのは、結末を知っているのもありとても辛い。わずかな希望を頼りに必死に堪え続ける人々の姿が痛々しい。2011/06/04
おと🦁🐾
1
鎌倉殿にはまった方 お勧めです。2023/02/08
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