出版社内容情報
主君仇討という究極の武士気質を貫いた赤穂義士達。松の廊下の事件から討入までの経緯を史料を駆使して真相に迫る評論版「忠臣蔵」
内容説明
日本民族はその歴史に文化遺産となるべき特色のある幾多の物語を生んできたが、赤穂義士のことはその中でも大ロマンの一つである。よく知られた江戸城・松の廊下の刃傷事件から吉良邸への討入りにいたるまでには数々の謎があるが、無類の歴史通がさまざまな傍証を挙げ、推理し、うんちくを傾けて語る抜群におもしろい「義士」論。
目次
民族の大ロマン
元禄時代
元禄男
江戸の巻
赤穂の巻
山科の巻
また江戸の巻
「あとがき」より
義士の身分と一挙の時の年齢
浅野内匠頭分限牒
赤穂義士関係書目解題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiiseegen
3
所縁の日に読了。長年の積本、赤穂ものを連続するつもりでまずは1つ目。海音寺史伝文学に久々に浸かる。2021/12/14
towerofthesun
0
戦時中は「武士道は封建道徳だ。殿様に対するだけの忠義の道である。つまり小義である。日本人の本来の道は、皇室に対する忠誠の道、即ち大義であるべきだ。それ故に、武士道美談など、好もしくないことだ」と、忠臣蔵も非難されていた…と冒頭にあった。筆者はその汚名をそそぐためじ筆をふるったようだが、一周して今から見ると大石内蔵助贔屓に過ぎるように思えた。とはいえ、一連の流れを復習するには最適の書。2022/12/18