出版社内容情報
八〇年代に女性誌が提唱したキャリア・ウーマンに憧れて結婚しなかった女達の、現実と本音を鋭く追究する。同世代に訴えた話題作
内容説明
「八十年代の女」は女性誌が賑やかに提唱したシングル・キャリア・ウーマンに憧れた。大学を出てすぐに結婚する気はない、何かもっと素敵な生き方があるはずよ、桐島洋子や向田邦子をご覧なさい。そう夢みたOLが三十代になったときの現実と本音を鋭く追究し、時代の影響を考える。自由を手にした同世代の女性に訴えた話題作。
目次
プロローグ クロワッサン症候群とは
第1章 女性誌の影響力(女の時代到来;クロワッサン御用達文化人;拝啓桐島洋子様;向田邦子はOLの星だった)
第2章 クロワッサン症候群の女たちは今(30歳の留学;企業でがんばる;とらばーゆ人生;マンパワーの女;とにもかくにもウェディングベル)
第3章 豊かな時代(自由が生んだ陥し穴)
エピローグ クロワッサンは変った
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cocoon
2
1977年に創刊された雑誌「クロワッサン」は、1970年後半~80年代前半にかけて女性誌によって叫ばれた独身賛歌の中核を担っていた。本書では、女性誌に影響を受けて30代後半になっても独身を続けている女性を、『クロワッサン症候群』と名づけ、分析とインタビューを試みている。単行本は1988年、文庫本は1991年に出版されている。2010/05/29
south
0
考えさせられる本だった。女性にとって「結婚」ということがいかに重いことなのか。選択の余地はあるのかあったのか。クロワッサン誌が「それもあり」と背中を押してくれたものの、結局時間だけが進み、彼女たちは自分の居場所をつくれない。難しいものである。2010/09/27
pantyclub
0
かなり古い感じですが時代を振り返ることができる。女性雑誌の影響力の強さを感じた。雑誌は娯楽だと思っていたが生き方にも影響していることに驚いた。新しい女の生き方は現在、普通になったかは不明。生き方のモデルが必要であり、それはインパクトがある。女性は感覚的な人間で、男性は論理的な人間と言われているがこれは知識レベルにやると思う。試しは女性雑誌を読みたくなった。2023/03/27