内容説明
仕事、結婚、男、子ども……私はすべて手に入れたい。欲張りだと謗られても――。1960年代、出版社で出会った三人の女。ライターの登紀子は、時代を牽引する雑誌で活躍。イラストレーターの妙子は、才能を見出され若くして売れっ子に。そして編集雑務の鈴子は、結婚を機に専業主婦となる。変わりゆく時代の中で、彼女たちが得たもの、失ったもの、そして未来につなぐものとは。渾身の長編小説。(解説・梯久美子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
63
1960年代の出版社で出会った三人の女の生き様。ライターの登紀子は三世代物書き。貧しい田舎からやってきて才能を開花させたイラストレーターの妙子。出版社のお茶くみから専業主婦となった鈴子。幸せって何?本当の幸せってどういうこと?すごく面白かった。2021/09/30
優希
60
戦後の高度成長期を過ごした3人の女性の物語でした。目まぐるしい昭和が興味深かったです。戦後の昭和は駆け足のような時代だったのですね。2023/05/26
エドワード
54
1960年代、今までにない雑誌が生まれようとしていた。若い男性向け雑誌、潮汐ライズ。出版社で出会う三人の若い女性。岡山から出てきた画家、藤田妙子。東京のお嬢様、フリーライターの佐竹登紀子。下町の佃煮屋の娘で庶務の宮野鈴子。激動する戦後日本を、助け合って生きていく三人の友情と人生。モデルはもちろん平凡パンチ、妙子は大橋歩だ。しかしあくまでモデル。トリニティとは三位一体。仕事、恋愛、家庭、子供、何を諦め、何を得るか。異なる選択の末、三人と家族たちのたどりついた令和の世。涙が溢れる終幕。圧巻の560ページ。2022/04/27
水色系
37
3人の女性の人生。骨太な連続ドラマを見終わったような読後感で、しばしぼんやりしている。自立した女性を目指すフリーライター、時代の寵児となったイラストレーター、寿退社し専業主婦となった元OL。三者三様の生き方がそこにはあって、時代が昔でも今でも、何が幸せなのかっていう価値判断は自分がすることだなと強く思った。小説に、今を生きろ、と励まされたような気がした。2021/10/10
ピロ麻呂
36
読むのに時間がかかった😅今までの窪美澄作品とちょっと違った堅いストーリーという印象。高度経済成長期、女性が社会で活躍し始める時代、仕事か?家庭か?どちらを優先すべきか悩む女性たちを描く。今ではたくさんの女性が社会で活躍してるけど、でも日本は男女均等ランキング先進国最下位😢もっと男女差別が改善されるべき。そのためには女性が首相になって日本の社会を変えて行って欲しいなぁ。2021/09/23