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内容説明
医療技術は着実に進歩し、難病治療も可能になった。セカンド・オピニオンやインフォームド・コンセント、情報開示やAI活用もいまや当たり前だ。にもかかわらず、患者の不安が一向に減らないのはなぜなのか。現場で感じる「高邁な理想論」と「非情な現実」との乖離、そしてその狭間で治療を続ける臨床医の本心とは――。患者やその家族と対面する診察室では語りえない医師たちの苦悩、医療の実情を鋭く切り出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mukimi
111
目次がどんぴしゃで興味深くて購入。各章の結論が時に飛躍してるためにちょっと待って1言言わせてくれ!と思う箇所もちらほらあるが、予後告知や安楽死などグレーな問題にも積極的に切り込み、膝を打つ学びをたくさん得た。確かに医学生は医療のお金のことは習わないし、人を救う方法ばかり習って、人は全員死ぬという常識が抜け落ちているというのも少し前の我が身を顧みて納得。医者の働き方、労働の価値についての言及は、医師としてのやりがいに迷い始めている自分を客観視でき、同僚やかつての職場への違和感に答えを与えてくれた。2025/10/29
ナミのママ
75
著者は1961年生まれの呼吸器内科医。本書は週刊新潮に2017年から連載されたコラム「医の中の蛙」から医療話題をまとめたもの。医療技術は進んだのに、患者の不安が減らないのはなぜか。聴診器を当てずに検査に回す現在の診察。告知や余命宣告が当たり前となった癌。「念のため」検査や薬。なるほど、医療はこんなに変わってきたのか。患者はこれを知った上で診察にのぞめばいいのかな。巻末には付録として「保険医療制度」と「財政破綻について」の著者の見解も載っている。2026/02/23
夜長月🌙
50
「最新式の治療」「肺がん5年生存率1位の病院」どちらもよいことのように思えますが、病院の内情を知るとそのカラクリが見えてます。老人に対する日本の「お金のかけ方」も見直す必要があります。最後の付録に記載されている日本の医療制度の構造と破綻を押し留めるための考察は読み応えありました。2026/02/27
neimu
50
色々思い当たることが多すぎて、哀しくなる。別に医者に限らず、看護師も相当酷いのに当たって、母の寿命は理不尽に縮まったと思う。常識が通じない。医療の常識と患者の常識は異なる、断絶している。架け橋に当たるはずのコミュニケーションは説明義務とどうせ死ぬから治療しても無駄という投げやりな態度のせいで、患者側の家族を引っかき回す。しばしの安息、苦しみを和らげて貰った、しばし家族の時間が持てた、悪化する一途で寛解の時間が取れて良かった。ささやかな患者側の期待や希望は、此方を正視する力のない医療者の圧に潰される。2025/08/28
ピンガペンギン
31
P71 大腸、乳腺、子宮、肺などのがん検診は有効性が証明されているが、他は死亡率低下の効果がない。P80 マンモグラフィはかなり微妙だ。胸部レントゲンよりも放射線被爆が多い。20代女性が胸やおなかのCTをとれば、被爆で数百分の一で発がんリスクあり。知り合いが乳がんになったけど直前の検査では分からなかったらしい。日本赤十字社医療センター内科系統括診療部長の医師による本で、週刊新潮連載。2025/10/25




