文春文庫
富士山頂 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 258p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167112417
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

富士頂上に気象レーダーを設置せよ! 国家プロジェクトにのぞむ気象庁職員の苦闘を、新田自身の体験を元に描き出した傑作長篇。

内容説明

富士山頂に世界一の気象レーダーを建設せよ!昭和38年、気象庁の元に始動した一大事業。測量課の葛木を始め、その任務を受けた男達は、熾烈な入札競争、霞が関の攻防、暴風雨が吹き荒れる3776mの苛烈な現場と闘いながらも完成に向け邁進してゆく。著者の体験を元に、完遂迄の軌跡を活写した記録文学の傑作。

著者等紹介

新田次郎[ニッタジロウ]
明治45(1912)年長野県生れ。本名藤原寛人。無線電信講習所(現在電気通信大学)卒業。昭和31(1956)年「強力伝」にて第34回直木賞受賞。41年永年勤続した気象庁を退職。49年「武田信玄」などの作品により第8回吉川英治文学賞受賞。55年2月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kei302

57
藤井聡太「竜王」が愛読する作家さんの作品を読んでみた。母:裕子さんの愛読書らしい。五冠達成後のインタビューでの受け答え「富士山の何合目まで来ているか」「まだ頂上が見えていないという点では森林限界の手前というか まだまだ上の方には行けていないのかなと思います」この本には「森林限界」は出てこなかった。NHKプロジェクトXの第1回目が富士山頂レーダーで、この作品そのもの。新田次郎さんは、気象庁の職員と作家の二足のわらじ状態。リアルです。脳内で中島みゆきの歌声が響きます。2022/02/28

i-miya

49
2013.05.28(初読)新田次郎著。 2013.05.27 (1974.07) (カバー) 富士山頂に、世界一の気象レーダーを建設せよ。 S38、一大事業、測量課高木他熾烈な競争入札。 霞が関との攻防、暴風雨の3776m邁進、記録文学の最高傑作。 (解説=尾崎秀樹) 一.新田次郎、人と作品。 自然の厳しさに挑戦し、それを克服して生きようとする人間の情熱を扱う。 2013/05/28

i-miya

44
2013.06.14(つづき)新田次郎著。 2013.06.10 3. 波多野、新気象台庁長官に就任。 村岡は新観測部長で、波多野から内命を受けた。 村岡、嬉しそう、しかし、急に表情が硬くなる。 観測部各課長の人選はあなたに一任します。 特に測器課長はよく考えて下さい。 候補No1の葛木の風貌を思い出す。 葛木は作家としての貌ももつ。 野武士の性格。 一緒に帰ろう。 測器課長を引き受けてもらいたいんだ。 富士山、やれってんですね。  2013/06/14

s-kozy

40
著者の自伝的小説(記録文学)。昭和30年代の終わりから40年代の初めにかけて富士山山頂に世界一の気象レーダーを建設するお話。実際に気象庁にいた著者の体験が基になっているだけに落札を狙う業者の入札競争や暴風雨が吹き荒れる3776mという超高所での苛烈な建設現場の描写などが生々しい。余計な感情描写などがほとんどなく、淡々と事実を書き連ねていく描写が読みやすい。一文一文が長くないのもいい。いいなぁ、新田次郎。傑作と言っていいのではないでしょうか。2014/08/26

Willie the Wildcat

37
年間実働可能日数40日間。標高3776m。気象レーダー技術に、機材運搬。難題を超える力。プロジェクト成功への強い想い。印象深いのが「(作業者の)名前プレート」。お金じゃないんだよなぁ、人の心が動くのは・・・。次に、成功に隠れた”失念”。今でこそ無人観測だが、当時の測候所の生活環境の改善は、現場にとっては死活問題。単なる成功体験記ではなく、つい見落としがちな「真のKPIの伝道」に感じる。自己体験に基づくこともあり、主人公の心情描写を含めて迫力がある。2013/03/20

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