文春新書
東電帝国―その失敗の本質

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166608102
  • NDC分類 540.921
  • Cコード C0234

出版社内容情報

被災した街の再建から財源の確保、内需拡大、さらには国土と経済の「強靭化」策まで。未曾有の国家的危機をどう乗り越えるべきか。

内容説明

札束で政治家を、天下りポストで役所を、寄付金で学界を、潤沢なPR費でマスコミを支配し「原発安全神話」をつくり上げてきた東京電力。元朝日新聞電力担当記者が、長年の取材を元に「驕りの帝国」の実像を描く。

目次

第1章 なぜ、福島に原発だったのか?
第2章 朝日が原発賛成に転向した日
第3章 木川田天皇と平岩外四侍従長
第4章 カネと政治と天下りと
第5章 “電力の鬼”がつくった会社
第6章 「東電帝国」崩壊の始まり

著者等紹介

志村嘉一郎[シムラカイチロウ]
1941年埼玉県秩父市生まれ。1964年東京大学経済学部卒業後、朝日新聞社入社。経済部記者として電力、石油、電機、航空、造船、運輸、商社、食品などの業界と財界、通産、運輸、農林、建設各省などを担当。2001年退社後、電力中央研究所研究顧問、帝京平成大学講師、帝京大学短期大学教授を経て2011年からフリーのジャーナリスト、評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mitei

300
なんかこういう体質の政府、電力会社での癒着があった中での今回の事故、引き金は自然災害だが、起こるべくして起こっている感じが拭えない。願わくば次にこんな事故、こんな事故以上の自体を起こさない様に原発がない、あっても厳しいコントロール下に置かないと何も学んでいない事になりかねない危機感を感じる。にしても事故後たった一月で調査、書き上げた著者の努力はすごいなと思った。2018/01/05

Miyoshi Hirotaka

36
わが国の高度経済成長は、終戦をゼロスタートとするものではない。成功の要因となった業界統制の仕組みは戦前の国家総動員法により既に出来上がっていた。このモデルはある時点までは上手く作用したが、それ以降は試練となった。JR、NTT、郵政、銀行・証券などの事例を見れば明らか。電力業界もこの法則の例外ではない。自由競争だった戦前の電力業界は、9地域統合状態のまま独占強化の道を歩んだ。現ナマで政治家を、ポストで役所を、寄付金で学会を、広告費でマスコミを操り、それぞれの地域で、「帝国」を築き続けた。これが失敗の本質。2014/11/10

James Hayashi

35
朝日新聞記者→評論家。11年著。事故後一月余りで書き上げた為、まとまりがなく読みづらい。また直接事故の対応などは触れておらず、歴史的な背景から東電の体質を探っている。まさしく帝国。東電トップ人事が株主総会も経ずして鶴の一声で決まってしまう異常さ。東電だけで日本のGDPの1%を稼ぎ、経団連を仕切ったり、原子力担当副社長の加納時男は国会議員に進出。また日銀に入り込んだ副社長もいる。セールスの為に顧客を東電に呼び出す殿様商売。エリート集団であるが、日本軍の参謀のように空回りばかりの集団的傾向が見えた。2018/09/26

しーふぉ

17
事故前後のことが知りたかったが、どちらかと言うと東電の歴史のことが書かれていた。歴代の経営者には素晴らしい人もいたのに、次第に聖域化や合理化の結果があの被害を招いたのかもしれない。2018/08/13

佐島楓

17
政府との癒着、天下り、メディアコントロール・・・こんな酷い事態になってしまった起源が書いてある。時系列ではないので、少し読みにくい。あと計画停電は「せざるを得なくなる」ものではないと思う。2011/10/14

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