出版社内容情報
NHKの朝ドラ『芋たこなんきん』の世界を、田辺聖子さんご自身が案内します。すべての”昭和党”に捧げる、オトナの智恵のエッセンスが詰まった「人生の副読本」。
内容説明
激動の昭和を生き抜いて、書いて、飲んで、歌って、しゃべった二人―“昭和党”おせい&カモカのおっちゃん。人生最高のコンビの、オトナの知恵が詰まったアフォリズム集。
目次
おせいさんの昭和館
痛恨にみちた教訓
地を払ったものに愛をこめて
オトナとコドモの見分け方
イイ人間、イイ人生
そんな教育、ちゃうんちゃう?
家庭の幸福に関するヒント
葬式はどんちゃん騒ぎで
カモカのおっちゃんという男
附録1 中年いろはかるた
附録2 昭和の歌は愛しく懐かしく
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928(昭和3)年、大阪生れ。作家。樟蔭女子専門学校国文科卒。64年「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)」で芥川賞受賞。軽妙洒脱でユーモラスな小説を主体に歴史エッセイ、評論など幅広く活躍。87年『花衣ぬぐやまつわる…わが愛の杉田久女』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞、98年『道頓堀の雨に別れて以来なり』で読売文学賞、泉鏡花文学賞、井原西鶴賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
65
アフォリズム集になります。昭和の時代を生きてきたからこその大人の言葉が心に染み渡りました。2018/03/31
佐島楓
28
アフォリズム集。田辺さんは日本人を心から愛していらっしゃるのだなぁ。文学を愛し、文化を愛し、日本人のもともとの心持を愛し・・・。戦争で破壊されたものは数知れず、現代において蹂躙されているものも数知れず。それでも愛することをやめない、それこそが人生を信じ、楽しむことの秘訣ではないだろうか。2014/11/14
るんるん
20
抜粋。人は、点と点のつきあいでよいのだ。全貌くまなく捉える線のつきあいでなくともよいのだ。自分にとっての、「その人」というだけでよいのではないか。私は、私の人生で、私によくしてくれた人を何人か持ったが、その人々のイメージが、ほかの人によっては全くちがうのに面食らったことが何度か、ある。それも「真」なのかもしれないが、しかし私には、私の「真」というのもある。小さい一点だけの「真」でよい、それを通しての人として捉えるのがよい。だから私にとってはいい人であっても、他の人にはよからぬ人ということもあろうし、2017/03/23
ギルヲ
3
著者の多くの作品から抜粋した、長めのアフォリズム集。田辺さんの本は「ジョゼと虎と魚たち」くらいしか読んでないんですが、こうして抜粋されたものを読むと、簡潔にして綺麗な文章を書かれる方だなぁと。「この世にひととき舞い降り、やがて跡形もなく消えていった、春の淡雪のような庶民」という一文にはなぜか泣きそうになった。これはまぁ例外的で、基本はおかしみに溢れた文章が多いのだけど。中年いろはがるたの「ぬいでからことわられ」と「体位評論家で終る」には思わず吹き出しました。なんてひどいことを(笑)2021/02/12
ろくしたん
3
田辺聖子は、あまり読んだことがなかった。表紙が固すぎ。しかし内容からすると、まじめ。色々な要素がありすぎな編集。2020/05/05