内容説明
テレビ・新聞・雑誌などが遺伝子組換え食品について不正確で不十分な情報を流し続けているために、一般消費者の間に“危険なもの”というイメージ先行の誤解が広がっている。それらの誤解は、最終的には消費者自身に不利益をもたらしかねない。本書は、そもそも食品は体にどう取り込まれているのか、“遺伝子”自体は食べたらどうなるのか、といった基礎の基礎から話を始め、多くの人々がもっている「不安視」のどこに誤解があるのかを明らかにする。
目次
第1章 まずは体の仕組みから
第2章 なぜ食べ物を食べるのか
第3章 DNAとタンパク質の世界
第4章 遺伝子組換え作物とはなにか
第5章 遺伝子組換え表示への疑問
著者等紹介
川口啓明[カワグチヒロアキ]
1951年、愛媛県生まれ。東京大学理系大学院博士課程修了。理学博士。宮崎医科大学医学部、日本生協連勤務などを経て、フリーで著述等に従事
菊地昌子[キクチマサコ]
1940年、佐賀県生まれ。お茶の水女子大学卒業。理学博士。東京大学理学部、(財)産業創造研究所勤務などを経て、フリーで著述等に従事
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感想・レビュー
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関東のカササギ
2
細胞、遺伝、タンパク質の面から順を追って遺伝子組み換え食品を説明し、読者に理解してもらうという本でした。基礎知識なくては理解しえない話だとは百も承知ですが、知っている人には何を今さら話で、知らない人には難し(高度)すぎると、どっち取らずになってしまった印象です。 「遺伝子組み換え食品を一般論で論じて、危険であるとか安全であるとか主張しても意味はない。検討されなければならないのは、遺伝子組み換え手法で作出された特定の作物について、それが危険なのか安全なのかということなのである」は至言だと思いました。2020/10/03