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文春新書
電脳社会の日本語

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  • サイズ 新書判/ページ数 246p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784166600946
  • NDC分類 007.63
  • Cコード C0295

出版社内容情報

「髙」が出ない。「冒涜」は「冒 」に。米国コンピュータ業界にとって、日中韓の漢字文化は非関税障壁以外の何物でもなかったのだ

内容説明

本、雑誌、新聞等に印刷された文書は、いまや仮の姿でしかない。本体は電子のかたちで流通し、保存される。二一世紀を迎え、気がついてみれば、社会全体が電子の文書に覆われようとしている。そこで用いられる文字、漢字は、いったい誰が決めたのだろうか。文部省もメディアも、ほとんど関心を払わなかったコンピュータの文字の登録簿=文字コード。文系と理系の谷間に埋もれたその変転の歴史を綿密な取材と考証で発掘する。

目次

第1章 電脳時代のS・カルマ氏
第2章 アルファベット世界への参入
第3章 国際文字コードとしての漢字
第4章 漢字制限論争の亡霊
第5章 グローバル・スタンダードをめぐる攻防
第6章 文字コードの現在

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Masakiya

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文字とは、ある情報(コンテンツ)を紙などのメディアに記録するためのモノであり、文字コードとはこれをコンピュータで処理、保存するための登録簿であり、手段である。はずなのだが、文字にとって紙に印字することがオプションになる時代、文字コードこそが主役になり、本来の文字の役割を担う・・・。そんな混乱さえ引き起こす読後感であった。携帯やSNSで音声言語でではなく文字が(顔文字も含め)コミュニケーションの手段となる時代、言語処理への興味はつきない。本書の発行は2000年であるので、それ以降現在までの情報が欲しいところ2012/03/04

boya

0
日本の文字コード規格の歴史は苦難に包まれていた。いまやユニコードに趨勢のある昨今だが、そこにはかつて米企業の利得もからんだユニコーダーの暗躍があった。モールス信号やジャカード織機の発明から文字の符号化へつながる話がおもしろい。いまでは遺産となってしまった文字コードの系譜を技術的な側面から振り返ることができ、終始丹念な印象の本だ。当用漢字表をはじめとした国語行政の歴史的経緯や、本題である文字コードにかんする予備知識は必要だが、よく構成されているうえ図版にも工夫があり、筆者と編集者の仕事ぶりは出色だ。2012/02/22

hibimoriSitaro

0
一読して力作の労作とわかる。再読ならなおさら。あまり売れなかったそうだが――それが不思議だ――文字化けにむかついたことのある人はみな読むとよい。第6章の「現在」が10年も前なので現在の「現在」を知りたいところだけれども,もう少し時間が経って百鬼夜行の世界が落ちつかないと取材もままならないのかもしれないなあ。2012/02/20

暇さえあれば

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コンピューター普及の裏側に、漢字の形などの攻防があったなんて。2022/05/31

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