文春新書<br> 「吾輩は猫である」の謎

文春新書
「吾輩は猫である」の謎

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166600090
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

読み継がれてはや一世紀近い漱石の名処女作。その比類なきユニークな作品世界を縦横無尽に探索した、ファン必読の傑作オマージュ

内容説明

『吾輩は猫である』は、謎に満ち満ちた作品である。猫の吾輩はなぜ読心術を使えるのか、苦沙弥先生はなぜ胃弱の健康オタクなのか、奥さんはなぜハゲなのか―。これらの謎解きを試みたとき、おなじみの名作は、思いがけなくもまったく新しい表情をみせた。一見、瑣末とも思われる数多のエピソードに託された漱石の本音と心意気に光を当てた、「漱石研究本」のイメージを覆す傑作オマージュ。

目次

第1章 苦沙弥先生の「モノ」がたり
第2章 『猫』のなかのマイ・ブーム
第3章 苦沙弥サロンをめぐる人々
第4章 ニューファミリー珍野家の光と影
第5章 『猫』の家と新時代の風景

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

猫丸

12
「猫」に関するメモ集。半藤氏ほど執拗に突っ込むことなく淡々と注目ポイントを列挙する形。「猫」とは汲めど尽きせぬ連想の泉である。漱石作品のベストは?に対する一般的解は「こころ」あたりかと思われるが、僕にとってのベストは「猫」だ。再読三読に足る作をもつ者は幸いである、とは読書界の共通認識。それどころじゃない。少なくとも30回以上は読んでいる。子供の頃は猫の蝉取りや餅踊りに笑い、青年期は独仙流哲学に共感。近年は迷亭の浮草的人生の裏に潜む悲哀を見たり。色々なアスペクトから読める複雑な作品である。2019/10/20

崩紫サロメ

10
本書の著者は『吾輩は猫である』の魅力を圧倒的なまでに膨大な情報であるとし、それは一見無駄なように見えるが「これらをムダだと思うのは、本当に「生きる」という経験をしたことがない人間にほかならない。この本に書き込まれている膨大な情報には、すべてに意味があり、必然性があるのだ」として本文から見えてくる明治の世界について解き明かす。確かに『吾輩……』にはこれといった起承転結がない。あるのは生活だ。モデルになった人々、当時の習慣などを説き起こすことで、原作をより深く楽しめる。2019/12/04

イワハシ

3
タイトル通り、『猫』の謎本。丁寧に解読されているが、ちょっと力技なところも感じた(まあ、仕方ない)。ここだけの話だが、実は私は『猫』を通して読んだことがない2024/05/05

tomi

3
本家『猫』をぼちぼち読んでる間に、先にこちらを読了。登場するモノや人物から家の間取りまで詳細に解説していて『猫』の副読本に良い。2011/07/18

takao

2
ふむ2022/05/10

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