出版社内容情報
豪華12人の少女漫画家が、家族や仲間たちと過ごした親密な空間。私たちを惹きつけてやまない、あの傑作の舞台裏が今明かされる!
内容説明
あの名作は、こんな「家」から生まれた!少女漫画の黄金期である一九七〇年代までにデビューした豪華十二人の漫画家が語る「家」の履歴。家族や仲間たちと過ごした最も私的な空間を語るからこそ見えてきた原体験、あの傑作の舞台裏とは。
目次
水野英子
青池保子
一条ゆかり
美内すずえ
庄司陽子
山岸凉子
木原敏江
有吉京子
くらもちふさこ
魔夜峰央
池野恋
いくえみ綾
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bura
77
読者に「夢」を与える少女漫画。その一流と言われる少女漫画家さん達の住んできた「家」を中心にかなりプライベートに踏み込んだインタビュー本。「水野英子」「青池保子」「美内すずえ」「くらもちふさこ」「いくえみ稜」等々、12名の漫画家の「漫画を描く場所」とそれを支えてくれた「家族」とのコミニュケーションがそれぞれの家の間取りイラストと共に伝えられていく。作り手側の人生が、生活の内面を通して語られている文章がリアル。興味深く読むことが出来た。私の好きな漫画家の自宅が母校のすぐ隣りだったのは驚いた。2023/01/12
syaori
75
「週刊文春」の連載「新・家の履歴書」のうち12名の漫画家の記事を編んだもの。水野英子や青池保子から池野恋やいくえみ綾まで多様なメンバーが並びます。家については生家の思い出や自身で建てた家のことなどさまざまですが、それに絡めて美内すずえの「異常な集中力で、(※マンガは)一度読んだら全部頭の中に絵が入る」という逸話があったり、木原敏江の父が母と家でタンゴを踊るような「モダンボーイ」だったりと、後の作品や作風を彷彿させるエピソードも多く、作者の体験や思い出のなかに作品の核となるものも見えるような楽しい本でした。2023/10/24
かんけー
64
読了♪花の24年組も含めた少女漫画家12人の生い立ちとそれぞれの辿って来た漫画遍歴の特集新書♪自分殆ど読んでる作家さん達ですが?何人か未読の方も(ー_ー;)印象に残ったインタビュー記事は少女漫画の草分け的存在の水野英子さん。トキワ荘唯一の女性漫画家としてのポジションも勿論、男性が描いていた少女漫画界に革命を起こしたと言う意味で、貴重な存在です♪一条ゆかりさんの生い立ちと家履歴も凄く「有閑倶楽部」は大好きな作品の一つです♪「ガラスの仮面」がまだ未完の美内すずえさん、義理のお母さんとの仲良しエピにほっこり♪→2022/11/13
ぐうぐう
48
少女漫画家の履歴書ではなく、少女漫画家「家」の履歴書であることが、本書の最大の特徴だ。少女漫画家にとって「家」とは、生まれ育った家のことでもあるが、住居兼仕事場であることも大きい。家を語ることで漫画家への理解が深まり、仕事場を紹介することで作品が生まれる過程も知ることができる。鬼門をすべて塞いで設計して建て替えた家では恐怖漫画を描けなくなったという山岸凉子など、興味深いエピソードが満載だ。それにしても、成功した漫画家の家の豪華なことよ。(つづく)2022/03/03
マカロニ マカロン
40
個人の感想です:B。少女漫画黄金期の1970年迄にデビューした漫画家12人(内男性1人)の「家」の履歴、家族や漫画家仲間、アシスタントらと同居した住まいの間取りと生活を聞取り。漫画と無縁だった私が知っているのは美内すずえさんと魔夜峰央さんの2人だけ。1939年生まれの水野英子さんは手塚作品に魅せられて漫画(当時は少女漫画も男性作家が大半だった)を書き始め、1958年伝説のトキワ荘に紅一点で入居。青池保子さん、一条ゆかりさん、山岸凉子さんら女性が切り開いてきた少女漫画の歴史が私的な時代・生活の面から語られる2023/06/08