出版社内容情報
会った誰をもすぐ魅了した作家の、17人との対談。水上勉、谷川俊太郎、吉行淳之介、阿川弘之、和田誠らと、話は幸福に弾む。
目次
小野田勇
水上勉
江國滋
小田島雄志
谷川俊太郎
山藤章二
吉行淳之介
二子山勝治
竹脇無我
中川一政
澤地久枝
倉本聰
鴨下信一
阿川弘之
和田誠
矢口純
矢崎泰久
この対談集について(吉行淳之介)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あいくん
9
この本には1975年から1981年までの対談記録が収められています。冒頭に1980年8月の東京會館での直木賞受賞式の向田さんの写真が載っています。 この1年後に向田さんは亡くなります。 惜しい人を亡くしたとという言葉が心からの言葉として何度もくり返されています。対談相手は、小野田勇、水上勉、江國滋、小田島雄志、谷川俊太郎、山藤章二、吉行淳之介、二子山勝治、竹脇無我、中川一政、澤地久枝、倉本聡、鴨下信一、阿川弘之、和田誠、矢口純、矢崎泰久、というそうそうたる人々です。 他に山口瞳さんも寄稿しています。2018/05/07
たつや
7
向田邦子の対談集。全対談とあるが、「トットひとり」に掲載されていた黒栁徹子との対談が未収録なのが、解せない。基本、向田さんの好きな人と対談らしいが、知らない人も多い。芸能人、渥美清等の当時の有名人もいるかと思ったら、意外と地味?な対談ですが、冒頭には山口瞳の「対談せざるの弁」が吉行淳之介の指示で掲載されたそうだ。愛ある良き一文でした。2025/02/23
ぐうぐう
7
『向田邦子全対談』を収録した全集別巻。読んでいると、無邪気な話しぶりに見えつつも、対談自体を俯瞰して眺めている彼女の冷静な演出が透けてくるのがわかる。それが計算高くではなく、彼女の人柄と溶け合っていることが、対談そのものの好感となっている。寂しくなるのは、死後に出たこの対談集、対談相手に向田邦子の印象を訊いており、それがひとつひとつの対談のあとに附記されているところだ。みんながみんな、作家としての、友人としての向田邦子の早過ぎる死を惜しんでいる。それは、すべての読者の気持ちを見事に掬い取っている。2010/11/26
ゴロチビ
3
対談の後に各々の対談相手からの追悼文が付けられているのが良かった。吉行淳之介の発案らしい。阿川弘之のものが一番泣けた。和田誠との映画談義の中で、チャップリンが嫌い、特にあの目付きが胡散臭い、というくだりがあり、へえと思った。ライムライトはわざとらしい、とも。物語を作る側の人の眼で見るとそうなるのかなと興味深く感じた。澤地久枝が明かす向田邦子像は、対談では話が弾むように万全の準備をして臨む気配りの人、いつも全力投球、座持ちの良い人、等々。会った人をいつかファンにしてしまう魅力的なひとだったことは間違い無い。2016/07/21
すいれん
1
きりっとした人柄が滲む。相手から話を聞き出すのと自分を出すのとがすごくバランスとれていて、面白かった。阿川弘之さんとの対談がよかった。(後日談には阿川佐和子さんもちょこっと出ていて…今や対談の名手だものなぁ)表紙の猫がいい。洋猫さんっぽくて。鬼籍に入られた方も多くてしみじみ読了。2015/11/03