出版社内容情報
交番相談員が見抜く、警察官たちの闇と罪。
2025年度最注目の連作ミステリ短編集!
警察を定年退職し、非常勤の「交番相談員」として働いている百目鬼巴(どうめき・ともえ)。
見た目は普通のおばさんで、性格も穏やかだが、彼女には妙な噂があった。
「彼女には県警本部の刑事部長でも頭があがらない」
「現役時代には、未解決事件の捜査にあたってほしい、と熱烈なお呼びが掛かっていた」
「なぜか科学捜査の知識も豊富に有している」
半信半疑で一緒に働いていた若手警察官は、
しかしすぐにその噂が真実であることを知る。
彼女は卓越した洞察力で、目の前で起こっていることの
真相・裏側を立ちどころに見抜いてしまうのだ――。
『教場』シリーズの著者であり、
当代きっての短編ミステリの名手による、
新「警察小説」シリーズ、開幕です!
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
130
長岡さんの短編集。どれもが「百目鬼巴」交番相談員が真相を解き明かす6編。新シリーズ開幕!とある。実に楽しみ。『裏庭のある交番』『嚙みついた沼』はアンソロジーで既読ではあったが、やはり長岡さんの短編は流石の感じだった。ただ『瞬刻の魔』はちょっと海鮮丼を食べるとき思い出しちゃうかも・・(汗)2025/05/02
タイ子
93
定年退職後、交番相談員として働く百目鬼巴が謎に満ちた事件を推理する6つの短編集。短編で読んだ百目鬼さんには惹かれるものがあったので今回刊行されて嬉しい限り。見た目は普通のおばさん、優しい人柄、これよ、これ。馴染むわ~。いろんな交番にひょっこり現れて(事件が先か、百目鬼さんが先か)事件が起これば優れた洞察力で何気に犯人を言い当てる。犯人に対して「ほれ、自首しろ」だの「観念しろ」だのとは決して言わない。だって、それは犯人が一番分かっていることだから。それまでの展開の巧さはさすが長岡さん。次回も楽しみです。2025/05/03
kei302
47
警察を定年退職後、交番の相談員をしている百目鬼さん60代女性が赴任した各交番での話。終わり方があっさりしているというか、あっと思った瞬間に終わっている感じ。高校の時の同級生が交番で相談員さんをしていたけど、どんな人が就けるのか知りたい。2025/05/09
sayuri
38
「裏庭のある交番」「瞬刻の魔」「曲がった残効」「冬の刻印」「嚙みついた沼」「土中の座標」6話収録の連作短編集。百目鬼巴(どうめき・ともえ)名前の字面は個性的だが、穏やかな性格の交番相談員。警察OGで年齢は60代後半。だが、その見た目と裏腹に、途轍もなくデキる女性だ。優れた洞察力で事件の真相を暴き、嘘を見破ってしまう。百目鬼巴、只者じゃない。彼女に目を付けられたら最後、犯人は降伏を余儀なくされる。さすが短編の名手・長岡弘樹さん、どの物語も毒を孕みながらラストは爽快。新シリーズ開幕という事で今後も要チェック。2025/05/02
イオちゃん
28
警察OG、60代で非常勤の交番相談員の百目鬼巴の観察力、推理力が冴え渡る短編集。事件に関わる人目線で語られるので、これはもう怖いレベルでしょう。「噛みついた沼」の雄吾はその後どうなったか、気になる。全体的に読みやすく、面白かったので、続編も期待します。2025/05/06