出版社内容情報
交番相談員が見抜く、警察官たちの闇と罪。
2025年度最注目の連作ミステリ短編集!
警察を定年退職し、非常勤の「交番相談員」として働いている百目鬼巴(どうめき・ともえ)。
見た目は普通のおばさんで、性格も穏やかだが、彼女には妙な噂があった。
「彼女には県警本部の刑事部長でも頭があがらない」
「現役時代には、未解決事件の捜査にあたってほしい、と熱烈なお呼びが掛かっていた」
「なぜか科学捜査の知識も豊富に有している」
半信半疑で一緒に働いていた若手警察官は、
しかしすぐにその噂が真実であることを知る。
彼女は卓越した洞察力で、目の前で起こっていることの
真相・裏側を立ちどころに見抜いてしまうのだ――。
『教場』シリーズの著者であり、
当代きっての短編ミステリの名手による、
新「警察小説」シリーズ、開幕です!
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- 評価
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
210
長岡 弘樹は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 百目鬼巴という氏名ほど、オドロオドロしい感じではありませんが、厭な余韻が残るイヤミス連作短編集でした。 果たしてシリーズ化するでしょうか❓ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639196762025/05/20
いつでも母さん
144
長岡さんの短編集。どれもが「百目鬼巴」交番相談員が真相を解き明かす6編。新シリーズ開幕!とある。実に楽しみ。『裏庭のある交番』『嚙みついた沼』はアンソロジーで既読ではあったが、やはり長岡さんの短編は流石の感じだった。ただ『瞬刻の魔』はちょっと海鮮丼を食べるとき思い出しちゃうかも・・(汗)2025/05/02
しんたろー
131
交番や駐在所が舞台の6つの短編集…主人公は各話で変わるが交番勤務の警察官。どの話にも定年後に非常勤で相談員として働く60代女性・百目鬼巴が登場し、そこで起こった事件の謎を解く。何処にでも居そうなオバサンが、警察では一目置かれる元刑事で、鋭い洞察力で真相を暴くのが痛快。交番警察官のお仕事小説としても面白いが、どの話も人心の裏側を描いていてビターな味わいで『教場』などでも感じた著者らしい人心の脆さや人生のアヤを巧く表現している。百目鬼を主人公に連続ドラマが成立すると思うし、彼女の過去を描く長編も読んでみたい♬2025/07/02
タイ子
129
定年退職後、交番相談員として働く百目鬼巴が謎に満ちた事件を推理する6つの短編集。短編で読んだ百目鬼さんには惹かれるものがあったので今回刊行されて嬉しい限り。見た目は普通のおばさん、優しい人柄、これよ、これ。馴染むわ~。いろんな交番にひょっこり現れて(事件が先か、百目鬼さんが先か)事件が起これば優れた洞察力で何気に犯人を言い当てる。犯人に対して「ほれ、自首しろ」だの「観念しろ」だのとは決して言わない。だって、それは犯人が一番分かっていることだから。それまでの展開の巧さはさすが長岡さん。次回も楽しみです。2025/05/03
hirokun
109
★4 定年後の女性警察官が交番相談員として活躍する短編集。分かり易い文章ですらすらとページが進む。ミステリの要素も楽しませてもらいながら気楽に読める作品。あまり深さは感じられないが、今後エンタメ小説としてシリーズ化されることを希望する。2025/05/18
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