その昔、ハリウッドで

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  • サイズ 46判/ページ数 464p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163917030
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

クエンティン・タランティーノ、小説家デビュー作!

アカデミー賞2部門受賞、ゴールデングローブ賞3部門受賞した
〈ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド〉を
タランティーノ自ら小説化!

1969年、ハリウッド。
俳優リック・ダルトンは人生の岐路に立っていた。
キャリアが下り坂の彼に大物エージェントがイタリア製作のウェスタン映画に出ないかという話を持ちかけてきたのだ。悩みを抱えながらTVドラマの撮影に出かけたリックが現場で出会ったのは……

リックの長年の相棒、クリフは謎の多い男だった。
妻を殺したが罪を逃れ、戦争中には大勢殺したと豪語する男。今日もリックの車でハリウッドを流していたクリフはヒッピー娘を拾い、彼女らがチャーリー・マンソンなる男と暮らす牧場へと向かう……

女優シャロン・テートは気鋭の映画監督ポランスキーと結婚し、リックの隣に住みはじめたところだった。
折しも自分の出演作〈サイレンサー/破壊部隊〉が劇場でかかっているのを目にした彼女は、うきうきとチケット売り場の女の子に声をかけ……

映画にはない場面、映画にはない物語、映画とは異なる結末――
本書はノベライズではない。同じ種子から誕生したもうひとつの物語、堂々たる一編の長編小説なのである。オフビートな小説を愛し、自身の映像言語としてきた巨匠がみせるグルーヴィな語りの才能に瞠目せよ!

池上冬樹氏、絶賛――
とても映画監督の余技とは思えないほど、作家としての豊かな力量を感じさせる。
映画と小説はあわせて一本、または二つあわせて「完全版」と言えるかもしれない……
面白いのである。掛け値なしに面白い。(本書解説より)

内容説明

1969年、ハリウッド―俳優リック・ダルトンは人生の岐路に立っていた。キャリアが下り坂の彼に大物エージェントがイタリア製作のウェスタン映画に出ないかという話を持ちかけてきたのだ。悩みを抱えながらTVドラマの撮影に出かけたリックが現場で出会ったのは…リックの長年の相棒、クリフは謎の多い男だった。妻を殺したが罪を逃れ、戦争中には大勢殺したと豪語する男。今日もリックの車でハリウッドを流していたクリフはヒッピー娘を拾い、彼女らがチャーリー・マンソンなる男と暮らす牧場へと向かう…女優シャロン・テートは気鋭の映画監督ポランスキーと結婚し、リックの隣に住みはじめたところだった。折しも自分の出演作『サイレンサー/破壊部隊』が劇場でかかっているのを目にした彼女は、うきうきとチケット売り場の女の子に声をかけ…アカデミー賞2部門受賞、ゴールデングローブ賞3部門受賞の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』をタランティーノ自ら小説化。映画にはない場面、映画にはない物語、映画とは異なる結末―これは単なるノベライズではない。同じ種子から生み出された堂々たる長編小説なのである。オフビートな小説を愛し、自身の映像言語としてきた巨匠がみせるグルーヴィな語りの才能に瞠目せよ!

著者等紹介

タランティーノ,クエンティン[タランティーノ,クエンティン] [Tarantino,Quentin]
1963年、テネシー州ノックスビル生まれ。1992年、『レザボア・ドッグス』で映画監督デビュー。1994年、『パルプ・フィクション』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール、米アカデミー賞脚本賞を受賞。2012年、『ジャンゴ 繋がれざる者』で再び米アカデミー賞脚本賞を受賞

田口俊樹[タグチトシキ]
1950(昭和25)年、奈良市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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starbro

193
アカデミー賞2部門受賞、ゴールデングローブ賞3部門受賞した映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(観てません)の監督自らのノベライズ、処女作ということで読みました。1960&70年代の映画のオマージュ小説、黒澤明や三船敏郎まで登場するとは思いませんでした。 しかし、友達にプ●シー・キャットなんて呼ばれたくありません。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639170302023/09/12

藤月はな(灯れ松明の火)

75
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のノベライズ。時間順に沿い、お決まりの過激な暴力がラストで炸裂した映画より、暴力はサラリと流して時間をシャッフルし、饒舌に多面的に語る小説版の方がずっと好き!クリフの映画語り(当時のヨーロッパ映画の成熟ぶりに対してのハリウッド映画の家族向け感、黒澤映画評)が読んでいて楽しいし、所々の小ネタ(スタントマン悲喜こもごもやオットプレミンジャーの悲劇、更に監督の父親登場など)にもニヤリ。そしてクリフと愛犬、ブランディとの馴れ初めは可愛らしいがクリフ、恐ろしい奴。2023/08/26

ポルコ

30
映画のノベライズではなく、世界観はそのままだが、構成と内容を大幅に変更されたタランティーノ流純文学。映画のラストも気持ち良いが、今回の小説のラストは感動的でちょっと泣けた。タランティーノは次回作で監督業は最後らしいが、小説はドンドン書き続けて欲しい。2023/07/02

くさてる

29
映画は未見。舞台が69年のハリウッドで、シャロン・テートの事件が絡む、くらいの知識しかないまま読み始めたけれど、ものすごく面白くて良かった!読んでいて、登場人物の運命を心配したり、良かったと喜んだりしたのは久しぶりの体験だった。オタク的な映画知識も面白いのだけど、本筋はそれでなく、映画の世界で生きている人間の営みと、60年代という時代の物語。なにより、ここには人生がある。海外文学好きにおすすめです。にしてもリックがディカプリオでクリフがブラッド・ピット?映画も見ます!2023/06/22

まぶぜたろう

25
虚構の中に虚構が紛れ込み、時制は錯綜し、虚実一体となった饒舌な映画語り。アル中、「リンガー」、TVドラマの役者たち、その中でタランティーノが描くのは、その時そこにいなかったことへの嫉妬と絶望的な愛惜である。シャロン・テートが自身の出演作を映画館で観るシーンの素晴らしさ。彼女を殺させないこと。そのキュートな姿を映画に、小説の中にとどめておくこと。そしてトゥルーディとリックの芝居。QTは演技論を披露しながら、虚構の二人への愛を隠そうとしない。起こったことと起こらなかったこと、全てが映画の嘘なのだ。素晴らしい!2023/10/31

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