出版社内容情報
「あの監督なら、全国大会に行ける」
部活やジュニアスポーツの現場で絶えることがない、指導者による暴力・性虐待事件。そこには子どもを護るどころか率先して追い込み、事実を隠蔽しようとする"毒親"たちが存在した――。徹底取材で描く衝撃ノンフィクション。
〈7月上旬。理子への暴力は、日本小学生バレーボール連盟(日小連)の傘下である大分県小学生バレーボール連盟(県小連)へ通報された。(中略)そこから「誰がリークしたのか」と犯人探しが始まった。
母と娘の地獄は、そこから始まった。
7月16日18時半、町内の公民館でチームの保護者会が開かれた。日ごろからチームの祝勝会や慰労会などを行う部屋で20数畳近い広い和室。座布団も出されず、現役選手の親たち15人ほどがコの字型になって腰を下ろした。Bの姿はなかった。
「悪くすれば、B先生が指導できなくなります。裏切りは許せません。このなかに絶対に(リークした親が)いると思っています」
保護者会長の男性がおもむろに立ち上がり、「一人ひとり、話を聞かせてください。じゃあ、そっちの端から」と口火を切る。自分がリークしていないことを証明したい親たちは、犯人探しに躍起になった。〉(第2章より)
目次
第1章子どもに土下座させる監督に服従し続けた親たち――全国上位の少年バレーボールクラブ
第2章口止め誓約書を書かせた親たち――大分少女バレーボール暴力事件
第3章性虐待に鈍感な親たち――高校女子バスケットボール部セクハラ事件
第4章不正に手を染める高校生ゴルファー――親に抑圧される子どもたちの辛苦
第5章少年球児をうつ状態にした父――大阪府「お父さんコーチ」の懺悔
第6章少年野球当番問題――来られない親に嫌がらせをする母親たち
第7章毒を制した親たち――暴力指導を向き合った全国柔道事故被害者の会
内容説明
部活やジュニアスポーツの現場で絶えることがない、指導者による暴力・性虐待事件。そこには子どもを護るどころか率先して追い込み、事実を隠蔽しようとする“毒親”たちが存在した―。
目次
序章 「4年生になるまで殴りません」が問題意識の起点に
第1章 スポーツ毒親は狂喜する「全国大会は蜜の味」子どもに土下座させる監督に服従し続けた親たち―全国上位の少年バレーボールクラブ
第2章 スポーツ毒親は判断力を失う「個人より組織」口止め誓約書を書かせた親たち―大分少女バレーボール暴力事件
第3章 スポーツ毒親はスルーする「強い主従関係の危険度」性虐待に鈍感な親たち―高校女子バスケットボール部セクハラ事件
第4章 スポーツ毒親は待てない「早期教育のリスク」不正に手を染める高校生ゴルファー―親に抑圧される子どもたちの辛苦
第5章 スポーツ毒親は子を追い込む「発奮させる恐怖学習」少年球児をうつ状態にした父―大阪府「お父さんコーチ」の懴悔
第6章 スポーツ毒親のブラック掟「日本の負の縮図」少年野球当番問題―来られない親に嫌がらせをする母親たち
第7章 スポーツ毒親にならないために 毒を制した親たち―暴力指導と向き合った全国柔道事故被害者の会
終章 親が学ぶことで子どもは救われ、豊かな人生になる
著者等紹介
島沢優子[シマザワユウコ]
スポーツライター。筑波大学卒業後、英国留学などを経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。主にスポーツや教育関係をフィールドに執筆。JOCナショナルコーチアカデミーやプロ球団などで講演も多い。公益財団法人日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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