内容説明
山田洋次×原田マハ、奇跡のコラボから生まれた新しいもうひとつの神様の物語。書き下ろし!
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。美術館勤務などを経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞し、翌年作家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞、17年『リーチ先生』で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
284
原田 マハは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 「キネマの神様」は13年前に出版された旧作のため、未読でしたが、今回映画の製作に伴い、ディレクターズ・カットが出版されたので読みました。私が知る限りでは、映画の原作者がそのノベライズを行うのは、史上初ではないでしょうか?本作は、山田洋次好みの人情ラブ・コメディに仕上がっていると思います。機会を見つけて、評価の高いオリジナルの「キネマの神様」を読んでみます。 https://haradamaha.com/topics/20210409_1736/2021/06/27
ウッディ
159
「キネマの神様」を原作として、山田洋次監督が内容を大きく変更して撮った映画を、原作者のマハさんが再びノベライズした一冊。原作が映画を観る人の物語であったのに対し、こちらは映画を作る人達の物語でした。娘・歩がシングルマザーで、引きこもりの息子の活躍も、山田監督の「学校」に通じるものがあり、華やかなりし頃の映画製作など作り手の立場で描いた奇跡の物語で、劇場でエンディングロールが流れる時、自分の頬を涙が伝っているだろうと想像できる内容でした。劇場に足を運び、キネマの神様が起こす奇跡を体験したいと思った。2021/08/12
修一朗
137
原田マハ作品の中で「キネマの神様」が一番好きだ。映画の公開に合わせて続編を出したのだと思って手に取ったら山田監督が御作りになった映画シナリオのノベライズ版で,それを原田マハさんが書いたという贅沢本だった。原作とは別物,洋物映画の評論は控えめだしローズバッドもなし。映画の公開は8/6なのになんだかもう映画観た気分になってしまった。映画を観る前にというのだったらこっちじゃない方の原作を読んだ方が楽しめる。映画も観るつもりはあるんだけど。そんなわけでこれから久しぶりに「ニューシネマ・パラダイス」観ます。2021/04/26
KAZOO
124
原田さんの「キネマの神様」を、山田監督が映画化したものをさらに原田さんがノベラライズしたものです。映画化したものは結構異なる部分が多いのでこのような作品が出来上がったのでしょう。根柢のところでは家族愛とかが流れているのでそんなに違和感がないのですが全く異なる作品として楽しんだ方がいいのでしょう。2021/06/28
hiro
120
『キネマの神様』を読んだのは、もう八年も前だ。その時の感想を読んでみると、大企業の課長を辞めたアラフォーの女性主人公が、大の映画好きの父親との関係を、映画を通じて修復していくストーリーだったようだ。一方このディレクターズ・カットは、山田監督が映画の撮影所を舞台に脚色し、そのシナリオから原作者の原田さんが自ら小説化した“複雑な”作品だが、読み終えると昭和の映画のにおいがする少し違った作品となっていた。ゴウが志村さんでないのは残念だが、8月にはコロナも落ち着き日本全国の映画館で無事公開できることを祈ります。2021/05/20