出版社内容情報
菓子職人の晴太郎と幸次郎兄弟の幼馴染・お糸の縁談を発端に、彼女の実家が窮地に。命さえ惜しくない愛に巡りあったとき人は!「命さえ惜しくない愛に巡りあったとき人は――」
おっとりした菓子職人の晴太郎と、商才に長けたしっかりもの幸次郎の兄弟は、年老いた茂市に手伝ってもらいながら、江戸の菓子司「藍千堂」を営んでいる。
「菓子」一筋だった晴太郎が、佐菜に恋をして結婚。男所帯の藍千堂に、佐菜とその娘のさちが加わったことで、暮らし向きは華やかになった。
人気シリーズ第3弾となる本作のテーマは、「命がけの愛」
いとこのお糸の縁談が発端となり、彼女の実家「百瀬屋」が窮地におちいる。
命をかけて愛する相手に出会ったがゆえに、絶望の淵に突き落とされた人々を、晴太郎兄弟は、和菓子で笑顔にできるのか。
江戸菓子の魅力と、人情あふれる物語がたっぷりと詰まった時代小説短編集です。
田牧 大和[タマキ ヤマト]
著・文・その他
内容説明
命さえ惜しくない愛に巡りあったとき人は―いとこのお糸の危機を救うべく奔走するお菓子職人の晴太郎と幸次郎。たとえ、絶望の淵に突き落とされても人を笑顔にする和菓子がある!
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
1966年、東京都生まれ。明星大学人文学部英語英文学科卒業。2007年、小説現代長編新人賞を受賞し、『花合せ濱次お役者双六』で作家デビュー。いま最も注目される時代小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初美マリン
136
タイトル通り、あなたのためなら。いい人というはどんな人のことだろうか?見返りを求めない?相手のことを思う❓とにかくいい人ばかりの作品2019/03/11
タイ子
118
シリーズ第3弾。いいですね~、各章のタイトルに雨がからんでてしっとりと切なく優しく読ませてくれます。「藍千堂」菓子屋を営む晴太郎と幸次郎兄弟のお菓子への愛と、家族への愛が甘くて「何やそれ、読んでる方がとろけるわ」と思いつつ、いつの間にか涙がこぼれる…卑怯なり、田牧どの。茂市が寝込んで昔を思い出すくだりは、前作を忘れかけてる読み手に優しい心遣い…感謝なり、田牧どの。今回の肝はお糸の結婚話から思わぬ方向に男と女の情愛話へと。これが切なくてねぇ、人と人との絆が教えてくれる和菓子の極意。満足いたしました。2019/04/18
はる
106
田牧さんの作品の中でも一番好きなシリーズです。落ち着いた優しい雰囲気が心地良い。序盤は穏やかですが、茂市の過去、お糸の恋、そして終盤のハラハラする展開と今作も期待通り楽しめました。ラストの引きも巧い。これでは続編も気になってしまいます。楽しみ。2019/03/22
ゆみねこ
97
菓子司藍千堂シリーズ第3弾。晴太郎と佐菜が夫婦になり、藍千堂は順調に。今作は百瀬屋と一人娘・お糸のピンチが主軸。さて、この先お糸と幸次郎はどうなる?続きを楽しみに待ちます。2019/05/20
itica
84
晴太郎、幸次郎兄弟と職人の茂市で商う上菓子屋に晴太郎の妻と連れ子が加わって、餡子の甘い香りと小さな天使の笑顔でこちらまで幸せな気持ちになる。しかしその思いも束の間、兄弟の従妹のお糸に訪れた災難。後半は重く苦しい話だった。お糸の両親が兄弟に与えた仕打ちを思えば、お人好しすぎる兄弟の行為。でもだからこそ私はこのシリーズが好きなんだな。次回も新たな展開がありそうな予感に早くも待ち遠しい。 2019/04/28