出版社内容情報
新日本プロレスを危機から救った二人のエース、棚橋弘至と中邑真輔。異なる方法論を取りながらも彼らの人生は絡み合っていく。
内容説明
「プロレスは最強の格闘技」というアントニオ猪木の思想は、総合格闘技の出現によって、完全に否定された。新日本プロレスは猪木から離れ、格闘技とは異なる、プロレスだけが持つ魅力を求めていくことになる。その中心にいたのが棚橋弘至と中邑真輔だった。だが、ふたりが歩んだのは、果てしなく続くイバラの道だった―。
目次
ターナー・ザ・インサート
王国の破壊者
スキャンダル
優しいアマチュアレスラー
若き王者の誕生
ストロングスタイルという幻
リベンジマッチ
猪木との訣別
愛してます
平成のベストバウト
エースはひとりだけ
CHAOS
2011
イヤァオ!
別れ
著者等紹介
柳澤健[ヤナギサワタケシ]
1960年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、メーカー勤務を経て、文藝春秋に入社。編集者として『スポーツ・グラフィックナンバー』などに在籍し、2003年にフリーライターとなる。07年に処女作『1976年のアントニオ猪木』(文藝春秋)を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T2y@
43
読み応え十分な、大河ドラマ。ライバルと切磋琢磨しつつ、改革に進む二人は、まさにプロレス版『翔ぶが如く』 柳澤健さん、今作も極上のスポーツノンフィクションありがとう。2018/02/15
Y2K☮
34
奇跡の関係性。太陽の様にいつでもそこに存在し、朗らかな輝きでファンを安心させる棚橋弘至。月みたいに絶えず形を変え、ミステリアスな煌めきでファンを刺激する中邑真輔。タナだけだったら昔からのファンは新日本を見限ったし、真輔だけだったら新しいファンをここまで獲得できなかった。真輔が解いたストロングスタイルの呪縛は私にとっては小説家を目指すという呪縛だった。ここで長年レビューを書き続ける作業はタナがオフ返上で熱心に取り組んでいるプロモーションと何処か重なった。二人の長所に学び、自分にしかできないことを続けていく。2017/11/16
緋莢
22
1999年デビューの棚橋弘至。2002年デビューの中邑真輔。この2人がデビューした頃から格闘技人気にプロレスが押され、またアントニオ猪木の介入などもあり、新日本プロレスが迷走、低迷していきます。離れていくレスラーも多い中、2人は新日本プロレスに残り、新日本プロレスを、そしてプロレスを「再生」しようと戦い始めます(続く 2018/01/08
zirou1984
21
凄い面白かった。だいたいにおいてPRIDE直撃世代である自分にとってプ女子に象徴される最近のプロレス再ブームは割と謎だったんだけど、本書で取り上げる二人がその中心としてイメージの更新に大きな役割を果たしていたことがよくわかった。特に棚橋がユリオカ超特急やレイザーラモンRGが在籍していた大学プロレス同好会出身で、かつ法学部で新聞記者を目指していたというバックグラウンドは現代のエンタメを考える上で色々示唆的だと思う。最強幻想という猪木イズムに背を向け、言葉とショーマンシップでお客様を楽しませるということ。2020/11/15
Hammer.w
20
象徴的なワンシーンを作る(TAJIRI)。きれいな絵が飾れているだけでは通り過ぎていくだけ(岡村太郎)。プロレスは深いんです。2018/03/19