出版社内容情報
明治初期、薩長閥ではないところで必死に己の居場所をつくろうとした人々のあがき。新政府に翻弄される地方人達の姿を丹念に描く
明治揺籃期、薩長が牛耳る中央政府の施策に翻弄される地方の男たちの姿を描く。「蝉」は南部の銅山の金工が,手荒なやり方で採掘権を私物化しようとした井上馨に談判しに行く話。「喰違坂」は赤坂喰違坂で岩倉具視を斬った不平士族を取り調べる佐賀出身の警察官の話。「一両札」は、老いた細工職人が元佐幕派の男達から贋札づくりを頼まれ、意地で引き受ける話。「女の面」は飛騨の地役人が中央からきて新施策を次々と打ち出す知事と農民たちのはざまで悩む話。その他「猿芝居」「道理」「フレーヘードル」の計七篇。中央の地方支配がはじまった時期のうねりを骨太に描ききった、直木賞作家四年ぶりの傑作短篇集。
内容説明
岩倉具視暗殺未遂事件の処理に暗躍した警察官、会津の民のために奔走した元京都見廻組の男、国会開設を檄文で訴える岡山の隠れた俊才―日本近代の産声にかき消された叫びと祈り。中央政府の大義に屈せず、彼らはそのときたしかに生きた。
著者等紹介
木内昇[キウチノボリ]
1967年、東京生まれ。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。2008年『茗荷谷の猫』刊行、翌年第二回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。2011年『漂砂のうたう』で第一四四回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoshida
藤枝梅安
naoっぴ
財布にジャック
nico🐬波待ち中