中野京子と読み解く名画の謎―陰謀の歴史篇

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163769202
  • NDC分類 723
  • Cコード C0095

出版社内容情報

選挙、決闘、手紙、さらには画中画や女性のバッグまで、絵に秘められた意味が解き明かされ、時代の息吹が蘇る。人気シリーズ第3弾!

“絵で知る”歴史はこんなにも面白い!

ギリシャの神々、イエスや聖人に続き、人気シリーズの第3弾のテーマは、“人間”です。
古代のハンニバルから20世紀を生きたユダヤ人画家まで、過去に生きて呼吸していた実在の人間たち。彼らは、「ゼウス顔負けの好色ぶりを発揮するし、悪魔よりなおひどい悪を為すかと思えば、時に聖人もかくやの自己犠牲を厭わない。権力欲にかられ、陰謀をめぐらし、名誉のために命を賭し、恋文を書き、選挙運動でただ酒を飲む……」(「はじめに」より)。
人間とはなんと興味深い生きものなのか――著者の深い眼差しと洞察で、選挙、決闘、手紙、さらには画中画や女性のバッグまで、絵に秘められた意味が解き明かされます。
ターナー『吹雪、アルプスを越えるハンニバルとその軍勢』/ブリューゲル『死の勝利』
/ドラローシュ『ロンドン塔の王子たち』/ラファエロ『レオ十世と二人の枢機卿』/ティツィアーノ『カール五世騎馬像』/ガウアー『エリザベス一世』/フェルメール『恋文』/ゴヤ『異端審問の法廷』/スーラ『グランド・ジャット島の日曜日の午後』/グロス『恋わずらい』など全17篇。
各絵画、関連する年表や家系図、地図を掲載。画家の心境やテーマ、時代背景などに光が当てられ、味気ない歴史に血肉が与えられ、時代の息吹が甦ってきます。一芸術作品として眺めていた作品が全く違った絵に見え、歴史の面白さに引きずり込まれること必至です!

内容説明

人あるところに思惑あり。歴史をあぶり出す17の人間ドラマ。人気シリーズ第3弾。各絵画、関連年表付き。

目次

消えた少年たち
産業革命とパラソル
甲胄のダンディズム
メディチ家出身のローマ教皇
トロイア戦争の悲劇
イタリア逃避行のゲーテ
私的通信
大自然の脅威
価値の転換
異端審問所の妖怪たち
無敵艦隊
あふれかえる死
笑うコサック
ナチス時代の恋わずらい
死にゆくピエロ
奇蹟の瞬間
凶暴な選挙戦

著者等紹介

中野京子[ナカノキョウコ]
北海道生まれ。作家、ドイツ文学者。早稲田大学講師。西洋の歴史や芸術に関する広範な知識をもとに、絵画エッセイや歴史解説書を多数発表。テレビの美術番組に出演するなど幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

161
これは素晴らしい。この巻は、絵画については勿論、ヨーロッパ王家の系図や歴史がわかりやすく説明されている。一読では理解しきれず、何度も読んでみて把握したいものだ。構図が不思議なのだが、ハンニバルの遠征の絵に惹かれた。ローマを目指して、カルタゴから象を連れて戦いに向かったハンニバルの一行への想像がふくらむ。そして、絵の背景を知っていれば理解が深まり、鑑賞をさらに楽しめる事を改めて思った。2017/08/04

ハイランド

91
お馴染み中野節による名画解説。この本には死の匂いが漂う絵が多く掲載されている。表紙の幼い兄弟は、実の叔父の陰謀により暗い塔に幽閉され、やがて来る暗殺者の影におびえ、美しい顔に絶望の影を帯びている。だが果たして叔父リチャード三世は、幽閉した真犯人だったのか。筆者は疑問を投げかける。「絵を見れば歴史はもっともっと面白くなる」西洋史は筆者の専門ジャンルなのだった。絵画が歴史への興味を誘うのか、歴史が絵画鑑賞の眼をより深く見せるのか。中高時代に中野氏の著書を読んでいれば、もう少し世界史に興味を持てたのだろうか。2019/09/08

tama

66
図書館本 人気シリーズなので予約してから結構待った。「名画」シリーズは「へぇ!」が多いのですが、今回は「ええっ!?まさかっ」が一つありました。最終章ウィリアム・ホガースの「選挙の饗宴」。この絵、諸星大二郎が描いた絵だろう!例えば、テーブルの左側の赤服の男とか、酒を補充してる少年とか、テーブル右手でまっすぐこっち見てるプクプクの男とか、完全に「西遊妖猿伝」に出てる顔だよ。同じホガースの「選挙運動」の左下にいるイミフな怪獣も諸星!諸星大二郎は18世紀から来ていたのか・・・。2014/06/08

gtn

56
ドイツ人、ジョージ・グロスの「恋わずらい」は、自身が世情に煽られ、第一次世界大戦の戦場に赴き、砲弾を受け死にかけ、祖国に幻滅した末、延命と引き換えに描いた偽悪的な表現というのが著者の見立て。確かに素人が見ても"尖り"が透けて見える。だが、百年以上も前の作品と思えない。現在でも、普通に美大生が描いていそうな発想と画風。2022/03/26

キムチ27

54
再読だと思うけれど、何度読んでも引き込まれる。歴史好きというより、人間ドラマが好きという性格だろうか。文明が進歩し?文化が豊かになり?医科学が発展し?人間は高尚となったのだろうか。これ全て?付き。SNが巡り貼られ、一見情報を手中にしたかのような人々が巷にあふれている。かつて美術は情報、哲学、心理、啓蒙、ファッション・・ありとあらゆるものを詰め込んだ「お手本」だった。無論、中野氏の云う事が100%真実とは思わない。でも、フムフムと読みこませていく心眼が合致する。2014/04/28

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