目次
序章 巴金の生涯と作品―永遠の理想主義者(成都時代;上海・南京時代 ほか)
第1章 アナキズムと文学の往復(巴金とエマ・ゴールドマン―一九二〇年代国民革命におけるアナキズム;サッコ=ヴァンゼッティ事件及び小説『滅亡』 ほか)
第2章 小説論(巴金の小説の変化について;巴金批判と林憾盧 ほか)
第3章 日本経験(巴金の日本滞在に関する記録(横浜時代)
日中のすれ違う眼差し―芹沢光治良、ジャック・ルクリュを起点として ほか)
第4章 評論(巴金と上海;中国知識人のカンバセーション・ピース―『家書―巴金蕭珊書信集』 ほか)
著者等紹介
山口守[ヤマグチマモル]
1953年、長野県生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科中国文学専攻修了。日本大学文理学部教授。専門は中国現代文学、台湾文学及び華語圏文学。復旦大学、北京師範大学、台湾大学などでの教歴もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
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アナキストで作家でもある巴金(1904-2005)に関する研究論文集。1920年代の中国ではアナキズム運動は次第に衰微し、コミュニストが革命の主導権を握るようになる。そんな中、エマ・ゴールドマンやヴァンゼッティ等との往復書簡を通して巴金がどのような理想主義を確立していったのか、その過程を検証すると共に、文学作品に反映される自由と平等の思想なども解き明かす。◇本書に登場するアメリカへの移民労働者 劉忠士は、生粋のアナキストであり、華人の枠では括れない無名の活動家、こういう人物の存在も印象に残る。2019/11/13