メッテルニヒ―危機と混迷を乗り切った保守政治家

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  • サイズ A5判/ページ数 411p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784163719207
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

宿敵ナポレオンを打倒。「ウィーン会議」で、「勢力均衡」の平和を確立し、後のEUの基盤を創ったメッテルニヒの愛と智恵と策略の全てを描く

内容説明

ナポレオンを打倒し、華麗なウィーン会議の成功から、革命による追放・亡命・流浪まで。革命とナショナリズムに立ち向かった名宰相。ナポレオンをはじめとする好敵手たち―アレクサンドル、タレイラン、カッスルリー、ウエリントン、バーク、ゲーテ、ディズレーリ、マルクス…との「死闘」「策略」「友情」の数々。ハプスブルク三部作『エリザベート』『マリー・ルイーゼ』完結。

目次

第1部 春の嵐―擡頭と忍耐(ラインの子とフランス革命;家の没落とウィーンでの結婚 ほか)
第2部 夏の大祭―戦略と交渉(ナポレオンとの交流;ロシア遠征の敗北 ほか)
第3部 落葉の秋―全盛から衰退(イタリアの視察と不安;ドイツの若者と市民 ほか)
第4部 吹雪の厳冬―亡命から最期(ドイツ関税同盟のショック;妻たちと女たち ほか)

著者等紹介

塚本哲也[ツカモトテツヤ]
1929(昭和4)年、群馬県に生れる。東大経済学部卒。毎日新聞ウィーン支局長、プラハ支局長、ボン支局長、論説委員、防衛大学校図書館長・教授、東洋英和女学院大学学長などをへて、現在、東洋英和女学院大学名誉教授、作家。オーストリア共和国文化功労勲章、オーストリア共和国有功大栄誉銀章を受章。また毎日新聞連載「学者の森」(共同執筆)で日本新聞協会賞を受賞。著書に『ガンと戦った昭和史―塚本憲甫と医師たち』(第8回講談社ノンフィクション賞受賞)『エリザベート ハプスブルク家最後の皇女』(第24回大宅賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

17
「マリー・ルイーゼ」評伝と内容が随分被るんですよね。同じ事書いてるし。2017/10/25

叛逆のくりぃむ

7
 メッテルニヒが古き良き時代の伝統を受け継ぐ人物であることが本書から強く伝わってくる。名実共に貴族であった彼が、ナショナリズムの勃興により追い落とされていく過程は、時代の変動を予兆させる。2016/10/21

noémi

6
私は、恥ずかしいことに、メッテルニヒもタレーランもなんじゃそれ?で、「会議は踊る、されど進まず」のムノーの政治家だとばかり思っていましたが、実は毀誉褒貶は多いながら、ヨーロッパの「バランス・オブ・パワー」を考えた人で、外交戦術によってナポレオンをうち負かした人だと知りませんでした。残念ながら、外交には優れていても、オーストリア帝国を内側から立て直すことができず、失墜。でもヨーロッパに40年以上も未曽有の平和をもたらした人としてた筆者は高く評価しています。まあ、いいもわるくもロココの人だったんですねぇ。2010/11/11

ユビヲクワエルナマケモノ

4
メッテルニヒと言えば教科書的には「保守反動」の枕詞がつくほど評判が悪い。本書で高く評価されるウィーン会議も、「会議は踊る」が人口に膾炙した結果、出席者は遊んでばかりでナポレオンのエルバ島脱出に慌てふためいてお開きになった印象がある。本書はそうした通俗的なメッテルニヒ像を一新する。前半の「外相」としての彼の活躍はナポレオンのライバルとしてのスケールがある。一方後半の「宰相」としての苦悩は後のフランツ・ヨーゼフ帝にも共通する悲哀がある。19世紀前半の欧州史上の様々なビッグネームとの交差も見所。2021/03/12

彩也

4
メッテルニヒって…なんか悪役っぽい政治家で、ザッハトルテ作らせた人だったっけ?と程度の日本で、その生涯を一般向けにまとめた本というだけで価値あり。幼少時代から外相期宰相期、亡命死去までバランス良く触れている。ただ、半分小説だと思う。途中何度も「これの出典は?」と言いたくなった。出典が明記されてないものはおそらく想像なんだろう。物事をやたら単純化、感情の問題にしている部分も多く(ウィーン会議の、仏に対する寛大さを「騎士道精神」とか書かれるとちょっとね)、ひっかかりを覚えないでもない。2013/04/15

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