からだのままに

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  • サイズ B6判/ページ数 168p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784163689302
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

目次

花の名前
大人呑み
滝の音
歩いてから読む牧水
稜線を泳ぐ
浅間山麓で書く
風邪の実感
休日の朝食
自作再訪
遅れて学ぶ日本史
信州佐久平に住む
業の深さ
舞台の上で―追悼若月先生
病んで出合った『流れとよどみ』
鮎釣り
石仏になる
老いた母
短い湯治
変容する「わたし」
からだ

著者等紹介

南木佳士[ナギケイシ]
1951年、群馬県に生れる。秋田大学医学部卒業。現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民医療日本チームに加わり、タイ・カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第53回文學界新人賞受賞を知る。1989年、「ダイヤモンドダスト」で第100回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

純子

26
読友さんのレビューからこの方を知りたくなって。このエッセイの南木さんとわたしは同い年。わたしの病気は、南木さんほどきついものではないが、長く患っていることや発症するまでからだをいたわっていなかったことなど、同じだなぁという気がして、仲間のような気持ちで読んだ。振り返ってみれば、保護者が続けて亡くなられたり土砂災害で家族を亡くした子がいたり、わたしの休みも死がきっかけになっていた。ましてや大きな病院の先生ともなれば。南木さんの言葉の選び方はとても丁寧で、穏やかな先生に診てもらっている感覚になる。2018/01/11

風に吹かれて

18
2004年から2006年に新聞・雑誌などに掲載されてエッセイ集。  38歳の時にパニック障害に見舞われた著者。「私の場合、うつ病の原因はからだをないがしろにしてきたからではないかと思いあたります。平日には医者の仕事、休日には小説書きで、ラジオ体操すらしたことがありませんでした。」(変容する「わたし」、p154)50歳になってから水泳や山歩きを始めた。  決して急がず自分のからだを見つめながら一歩一歩足を運ぶと山の頂に達する。そのときの喜びを、そのまま受け入れる。 →2022/01/28

頭痛い子

6
私自身14歳から21歳になるまで、まるで病名がわからない病で入退院を繰り返してきた。症状は熱と身体の痛みなのだが、身体の痛みが移動するのだ。そして3日も経つと嘘のように全快する。そのため周囲に『嘘つき』呼ばわりされたこともあったがこれが仮病などではなく、病院にかかると『今すぐ入院』の血液検査結果と所見である。一年の半分を入退院で繰り返し、のべ100人近い医者が診ても、病名がつかぬ苛立ちと今後の不安から自殺未遂ばかり起こすようになる。死はいつも身近なとこにあって手ぐすね引いて待っている。2023/04/11

がぁ

4
生きる苦しさと喜びが津々と伝わってくる。丁寧に生きていくことの大切さを教えられた。50代半ばは老境なのだなぁ。2012/10/06

algon

3
臨床医であり芥川賞作家!という華々しいキャリアからパニック障害→うつ病に至り閑職に身を引き、かろうじて生き延びてきた・・彼のエッセイはこの経緯が繰り返し繰り返し出てくる。この経緯こそ彼の今在ることの土台、ここから彼の発想が始まる。うらやむようなキャリアを放り投げて只々生き延びざるを得なかった彼の諦観が長野佐久平の地で珠玉のエッセイを数多く生んできた。山を歩き、亡き身内を想い、恬淡な生活を貫く、そんなエッセイ。平明だが得がたい名文で綴られる。自分としては数カ月おきに戻ってこずには居られない最も大事な作家。2014/07/17

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