内容説明
生き残ってみせる。しがみついてやる。虎視眈々と“文壇”の末席に連なることを夢見たあの日、あのころ。戦後文壇の表と裏を極私的にたどる灼熱のメモワール。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンコ
13
文壇の生態。昭和の文学史。野坂昭如が駆け抜けてきた時代。猥雑で破天荒だけど、繊細で思慮深い人でもある。永遠の憧れ。改めて、彼を失ったことが悲しくて仕方がない。2016/01/19
ウチ●
6
昭和36年、単衣の着物、素足に草履、中公「週刊コウロン」売価20円也。丸谷、八ミリエロ映画、クラブ「ラ・モール」、三木鶏郎、永六輔、吉行淳之介。「エロ事師たち」、「おもちゃのチャチャチャ」、三島と対談、喧嘩骨折、宇能、立原、「姫」マダム山口洋子。封印されていた妹の記憶、田中小実昌、「火垂るの墓」直木賞、平凡パンチ、歌う直木賞作家。三島自衛隊突入。もはや昭和は遠くなり、流行作家は死に、ただ憧れていた小説家は名を残した。渾身の力はこめず、井戸掘る如く書くうちに思いがけぬ脇から滲み出た小さなテーマによって。2013/07/05
勝浩1958
5
のっけからこれだ!「色川が壇上にいるのだから、授賞式の進行中なのだろう。」もう酔っぱらっているのだ。酔わないとまともに人前にも出られない。照れかひがみか、とにかく鬱屈としている。少し自虐的か? 本当はものすごく繊細。もっと評価されても良いのじゃないか。 ところで、男のおばさんを演じる永六輔氏、若い頃(から)ものすごく儲けていたのが分かりました。また、野坂氏は丸谷才一氏を相談相手にしていたのですね。意外な話が文壇にはたくさんありますね。楽しそう。2011/10/26
takao
3
ふむ2024/04/08