内容説明
甦える名優の肉声。歌舞伎を支えた稀代の名女形の芸と素顔。数多くの舞台を見続けてきた著者が哀惜の思いをこめて綴った大成駒のすべて。
目次
雪月花(奥津城まで)
小春日(子供のころ;ガルボ、バワーズ、グレース・ケリー ほか)
合せ鏡(師として父として;新居の壁のパンダ ほか)
反魂香(歌右衛門の光と闇)
著者等紹介
関容子[セキヨウコ]
東京生れ。日本女子大学国文科卒業。ノンフィクション作家。「日本の鴬―堀口大学聞書き」で日本エッセイスト・クラブ賞、「花の脇役」で講談社エッセイ賞、「芸づくし忠臣蔵」で芸術選奨文部大臣賞、読売文学賞を受賞した
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感想・レビュー
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rinrinkimkim
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成駒屋・中村屋と屋号で俳優さんとのインタビューを記事にしてて新鮮でした。お芝居に向かう厳しい姿勢と舞台を離れた時の成駒屋が丁寧に書かれていた。坂東玉三郎のインタビュー記事が載っていないあたりが確執を真実かと思わされますねぇ 淀殿が最期の舞台って芝翫丈もですね(もうすぐ1周忌) ついたての裏に酸素ボンベ置いての出演だったそうです 鬼気せまります2012/08/19
ちご
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歌右衛門ってすごい役者さんだったんだな,と感じた2010/06/28
筋書屋虫六
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相手の懐深く入り込んで、とっておきの言葉を引き出してしまう関さんの聞き書きにはいつも脱帽だが、相手が大成駒屋ともなれば、聞く方も聞かれる方も各人の緊張感が伝わって来て別の意味で面白かった。大輪の華と得体のしれない闇を共存させていた六代目の本質にどこまで肉迫できたかについては微妙だけど、この著者の根本には芝居そのものに対する深い愛情が感じられ、そこらのインタビューライターとは一線を画す後味の良さがある。玉三郎丈の話がなかったのが残念。2009/08/16
若黎
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そうだ、歌右衛門さんが亡くなった日、桜が咲いてるのに、雪が降って、夜は月が出る、雪月花の日だった。数少ない観劇の中で、伊勢音頭の万野は遠く離れた3階席まで、よく通る声で、とても印象深かったことを思い出した。 八ツ橋、阿古屋、政岡は玉三郎さんも教えを受けてるはずなんだけど、入ってなくて残念。2020/08/24