内容説明
没後5年、待望の刊行。編集者の意気に感じて、求められるままに書かれた圧倒的な量のエッセイから厳選。いまさらながらに氏の作家活動の深さ、広さを感じさせる、単行本未収録作71篇の豊かな世界。
目次
新春漫語
綿菓子
普天の下
答えない理由
心のための機関
古本の街のいまむかし
駅前の書店
学生時代の私の読書
つたなき五官
昇降機〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
悠々人
4
司馬遼太郎のエッセイ集です。 小説はもちろん好きですが、エッセイも 好きです。 歴史はもちろんですが、宗教、文学、 言語他幅広い分野にわたって洞察し、 ユーモアを交えて語ってくれています。 その見識の広さには驚かされます。 そして、文章が優しいです。 2019/03/10
Junya Akiba
2
司馬遼太郎を好きで好きで堪らない方にも、まだあまり読んだことがない方にもとても良い情報源だと思う。歴史(彼が調べた事実)を通して世界、そして日本を解説し続け、そして我々を楽しませてくれた氏の様々なものに対する見方が少し分かってくるような気がします。ますますまだ読んだことがない氏の作品を読みたくなるとともに、ここで紹介される明治の文学にも触れたくなります。個人的には、今まであまり興味がなかった仏教について多くのことを知れたのは新鮮でした。これから国内を旅する際にお寺を見る目が違ってくるかも!?2019/06/08
がんぞ
1
『浄土ー日本思想の鍵』という50頁ほどの雑誌用談話が著者の宗教イデオロギーを闡明している。親鸞は公務員である僧侶ではないから「上人」と呼ばれ(偉そうな人をとりあえず「先生」というようなものか)公度僧は葬式をしなかったから、それをする聖ヒジリが普及していった…。戦後、占領軍に宗教関係で説明「仏教は倫理を離れている、『悪人』が救われると言うのは、時代によって変わる倫理価値観に対して永遠の法則を想定する」キリスト教は自らを文明と誇っているが、宗教とは「自分は(生活規定で)これだからこれを信じる」つまり文化では?2013/12/29
Masanori Senda
1
久々の司馬。小説ではなくエッセイ集。中には別の本で掲載されている内容もあり。この人は小説も面白い(当たり前が)がエッセイも絶品。2012/06/21