出版社内容情報
妻を捨て愛人へ奔った作家廣津和郎の"誠実真摯な人生"は何を残したのか。有名無名の女と男が紡いだ必死の生から昭和の闇を解く
内容説明
淪落の句を詠みながら閃光のように消えた女。川柳に時代への抗議をこめた男。松川裁判に奔走した作家、広津和郎の修羅の私生活。乳飲み子の教育を託して戦死した夫と、託された妻の長い人生。戦死、憤死、自死。九人の男と女が織りなした必死な生と、その果ての様々な死。
目次
治安維持法下の愛と死
「父いづこ」という環
反戦川柳作家 鶴彬
「太田伍長の陣中手記」以後
アッツ島玉砕者のたより
占領下の花 鈴木しづ子
広津和郎男としての誠実
山村農家の母の自死
シベリア抑留八年 夫と妻