出版社内容情報
旧陸軍の最高学府・陸大では何を教え、何を教えなかったか。軍の中枢となった出身者たちの欠陥は何だったか。指導者教育の失敗を描く
内容説明
太平洋戦争の敗因は、真の戦争指導、ことに政略と戦略、つまりは戦争哲学の具体的研究がなされていなかった陸大教育に源を発している。世界の大勢を洞察し、国内の動向を透視し、それに適応する大作戦を進めつつ機をうかがうのは政治家の本領であって、軍人の職分外に属することなのだ。しかし日本は、それを軍人が専行したのだった。昭和史をミスリードした男たち。その日本的リーダーシップと人事管理「失敗の教訓」。
目次
第1部 参謀はこうして作られた
第2部 市ケ谷台からの群星
第3部 参謀たちは何をしたか
第4部 エリートたちの誕生と暗闘の歴史
第5部 失敗から学ぶべきもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
嘉納よし子
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なぜ昭和時代に入ってから陸軍が暴走したのか原因を知りたくて図書館から借りてきた。昭和陸軍の人事システムや陸軍大学校卒業(天保銭組)の優遇システム、派閥の形成(長州閥、一夕会、桜会)、中堅将校の下剋上、永田鉄山の殺害事件(無天保銭組の相沢三郎のコンプレックス)、天皇の統帥権について、陸軍大学校のメッケル少佐の教育など私が昭和陸軍で知りたかったことがたくさん書かれておりとても貴重な資料であると思う。この本は昭和陸軍がなぜ暴走したのか?その答えを知る事ができる本だと思う。2024/11/24