少しだけ欠けた月―季節風 秋

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  • サイズ B6判/ページ数 356p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163273907
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

静かな、静かな、ひとりぼっちの月。ぼくたちは明日から、もう家族じゃない。澄んだ光に満ちた秋が、かけがえのない時間を連れてくるものがたりの歳時記―「秋」の巻、12編。

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
1963年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライターに。91年『ビフォア・ラン』で作家デビュー。99年『ナイフ』で第14回坪田譲治文学賞、『エイジ』で第12回山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で第124回直木賞受賞。ルポルタージュ、時評、評論など小説以外のジャンルでの執筆活動も高い評価を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ともくん

57
しとしとと、降り続く秋雨のように、涙がこぼれ続ける。 静かな時の移ろいを感じさせてくれる作品。 秋の夜長にぴったりな、体の中から温めてくれるような物語たち。2019/10/22

greenish 🌿

41
(文庫本で読了)親を守る立場となった兄妹の言い様のない心情を描いた『キンモクセイ』、母が取り持つ父娘との不器用な心の交流を描いた『田中さんの休日』など12の短編集。「季節風」シリーズ「秋」の物語  ---誰かが経験しているであろう、やりきれない想いや心のすれ違いを綴った重松さんらしい物語。サンマ・キンモクセイ・ギンナン・・・《秋の香り》が、ほろ苦くも温もりのある想い出を呼び覚ましてくれるようで、心がじんとしました。秋だからこそ、郷愁・寂寥の念に駆られるのもいい。秋の夕暮れに読んで欲しい一冊です。2013/10/21

青蓮

40
秋をテーマにした短編12編。どのお話もちょっと切なくて、ノスタルジックな、心にじーんとくるものばかり。重松さんが描く、お婆さん、お爺さんが好きです。「オニババと3人の盗賊」では、読んでいて子供の頃に頻繁に行っていた、お婆さんが一人で店番をしている駄菓子屋さんを思い出しました。「ヨコヅナ大ちゃん」ではお爺さんとお婆さんが大ちゃんに語りかける言葉がとても素敵。「カッコいいとか悪いとか、他人が決めることにびくびくするな」「カッコいいっていうのは自分で自分が好きになる瞬間のことだ」勇気付けられる言葉です。2013/09/03

東谷くまみ

36
どの話を読んでも泣けてくるので、少しずつ時間をかけて読んだ。この本に出てくる人たちはいつかの、もしくはこれからの私やあなたなのかもしれないな。登場人物が感じるいろんな葛藤や悲しみ、切なさを自分に投影して……心がずっと静かに揺れ動く、そんな読書。重松さんの作品はまばゆい光を放つ太陽ではなくて、優しい光でそっと寄り添ってくれる静かな月に似ている。途方にくれる誰かを包み込んでくれるような。「風速40米」からの「キンモクセイ」、「よーい・どん」、「ウィニングボール」が胸に残る。2020/09/27

消しゴム

31
明日の11月14日は満月スーパームーンになるそうです。だから、今夜は「少しだけ欠けた月」を読みました。以前からこのタイトルはお気に入りです。「季節風・秋」 今の季節にぴったりです。「太陽のようにまぶしくはなく、星のように仲間がいるわけでもなく、夜空にポツンと浮かぶ月はひとりぼっちだった。ひとりぼっちの寂しさを誰かに訴えることすらない、静かな、静かな、ひとりぼっち。」この一文がとても好きです。「トルコ行進曲」はモーツァルト作曲だと思っていたけど、ベートーヴェンも作曲していたのですね。月光を聴きながら再読。2016/11/13

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