講談社文庫<br> 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

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講談社文庫
竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像

  • 著者名:佐々木実【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 講談社(2020/09発売)
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  • ISBN:9784065210901

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内容説明

日本でもっとも危険な男の物語。

この国を“超格差社会”に変えてしまった中心人物はこの男だった!
「改革」の名のもと、法律を駆使しながら、社会を次々と大胆に改造してしまう。まるで政商のように利にさとく、革新官僚のごとく政治家を操る経済学者――。「フェイク(偽物)の時代」に先駆けた“革命家”の等身大の姿とは。

経済学者、国会議員、企業経営者の顔を巧みに使い分け、「日本の構造改革」を20年にわたり推し進めてきた“剛腕”竹中平蔵。猛烈な野心と虚実相半ばする人生を、徹底した取材で描き切る、大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞ダブル受賞の傑作評伝。

はじめに 「改革」のメンター
1章    和歌山から東京へ
2章    不意の転機
3章    アメリカに学ぶ
4章    仮面の野望
5章    アメリカの友人
6章    スケープゴート
7章   郵政民営化
8章   インサイド・ジョブ
おわりに ホモ・エコノミカスたちの革命

目次

はじめに 「改革」のメンター
1章    和歌山から東京へ
2章    不意の転機
3章    アメリカに学ぶ
4章    仮面の野望
5章    アメリカの友人
6章    スケープゴート
7章   郵政民営化
8章   インサイド・ジョブ
おわりに ホモ・エコノミカスたちの革命

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

53
20世紀から21世紀の変わり目で政府の経済政策を差配、日本社会を大きく変質させた経済学者・竹中平蔵の評伝。経済学を政治権力に接近するための道具と考えていた竹中は、アメリカで培った人脈と経済学の博士号を武器に手段を選ばず時の政権に接近。小泉政権では郵政民営化の理論武装を担い、金融担当大臣としてメガバンクの再編を強行。個人の自己責任と自助努力を基本とした競争社会の構築を提言、社会の格差を拡げました。よくいえば柔軟だが悪く言えば節操がない竹中。改革で発生した利益を取り込む工夫にも長けていた側面にも触れています。2020/11/14

こも 零細企業営業

33
今だけ、金だけ、自分だけ。その権化のような竹中平蔵さんを分析した本。2022/11/05

MioCastello

21
経済政策はその成否が判明するまで時間を要すると言われる。今なら竹中平蔵が手掛けた銀行の不良債権処理、郵政民営化等の数々の政策を冷静な視点で客觀的に検証可能だ。サプライサイド改革を謳いながら労働生産性がOECD諸国中順位で年々低下し続けている時点で失敗だった事は明らか。当の本人は規制緩和がまだまだ不足しているからだと強弁し決して失敗を認めないだろう。しかし一連の改革路線で日本社会が疲弊し衰退し続けているのは否定出来ない。儲かったのはパソナを始めとする彼の取り巻きだけであろう。2022/09/11

shikada

19
竹中平蔵氏のルーツと、いかに政策に関わったかの経過をまとめた一冊。開発銀行に入社して、アメリカ留学して経済学を学び、大蔵省に出向して...と彼がどこでどんな影響を受けてきたのかの部分が興味深かった。派遣事業の利益相反問題くらいしか知らなかったけど、小泉政権時代から政策に根深く絡んでいたことがわかった。ただ小泉政権の構造改革については、本書のエピソードを理解するには自分に知識がなさすぎて、そのへんをきちんと調べようと思った。2021/08/01

lily

17
小泉政権で郵政民営化を理論武装した「経済学者」竹中平蔵の評伝。和歌山にある靴屋の息子がありあまる向上心で頭角を現し、一橋大学に入学。その後はアメリカに留学し…と絵にかいたようなエリートだが、そこで学んだフリードマンやハイエクの新自由主義は格差拡大を助長する「勝ち組」の発想。そして現在はその格差を固定化させる人材派遣会社パソナの会長と、資本主義の権化っぷりを如何なく発揮している。彼がコミットした「B層(IQが低く、構造改革には賛成)」への戦略もさすが。発想から何から全く相いれないことが再確認できた一冊。2021/03/01

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