厭世フレーバー

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  • サイズ B6判/ページ数 227p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163242002
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

俺がかわりに殺してやろうか。父親が失踪。全力疾走のはてに少年は血の味を知った―家族の崩壊と再生をポップに描いた快作誕生。

著者等紹介

三羽省吾[ミツバショウゴ]
1968年岡山県生まれ。広告代理店勤務。『太陽がイッパイいっぱい』で、第8回小説新潮長篇新人賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さぜん

20
角田さんのオススメ本。「空中庭園」に通ずるものがある感じ。リストラされ突然失踪した父。残された子供達、妻、祖父のそれぞれの視点で描かれる家族の物語。父の不在でバラバラになりかけた彼等が少しずつ互いを思い戻ってくる状況が各編を読むごとに伝わってくる。爺ちゃんの章が印象的。「幸いは小さな器に一滴ずつ落ち流水のようなものだ。」自分の器を知れと言う。複雑な家族だが彼等が作り上げた器に、自ずと収まっていく。部長や部長代理という名の猫たちも一緒に。意外と爽やかな読後感。2014/09/02

horihori【レビューがたまって追っつかない】

16
「十四歳」ケイ。陸上部をやめて新聞配達「十七歳」カナ。いい子をやめて深夜までバイト「二十七歳」リュウ。急に課長の意識にめざめる「四十二歳」薫。すっかり酒びたりになる「七十三歳」新造。認知症が進行してしまう。家族それぞれの視点で、父親がいなくなった後の家庭を描いた話。未成年の2人と成人した3人の考え方が対照的。この家族血の繋がりが薄い。一番、繋がりの深い父親がいなくなったコトで、壊れるのかというと、そうでもなく。一緒に暮らしていれば癖や考えが似てくるものだし、血の繋がりだけが家族ではないんだって思える。2008/10/14

tokotoko

15
短編集の作品が面白かったので、読んでみた作家さん。すごいインパクトのある表紙でびっくり。タイトルも暗い感じ・・・・最後まで読めるかな?と思いながら、進んでいくと、とても現実的な家族小説。血のつながりが複雑な須藤家。突然父が失職し、失踪。その後、家族達は・・・・。面白い試みだったのが、家族を年齢別に章立てして、行動の訳や心の声まで丁寧に描いてあったところ。。人物がどんどん頭の中で生きてきた。自分とは全然違う人達だったけど、読み終わる頃にはこの家族が好きになっていた。お爺ちゃんの人生が凄く、言葉が心に残る。2013/04/29

13
にやりとする面白さでした。家族って血だけじゃないかもね。猫のネーミング素敵なセンスだわ(^O^)この作家さんイイです♪2014/09/15

ひねもすのたり

12
三羽省吾さん初読みです。 角田光代さんがベタ褒めしてるので読んでみました。 父親が失踪してしまった家族を描く本書は14歳、17歳、27歳の子供と42歳の母親、そして72歳の祖父がそれぞれの視点で語る連作短篇です。 いずれの語り口もポップで笑えますが、肝心の部分はしっかり抑制が効いているのでそれらが上滑りすることなくじっくり読むことが出来ます。 特に半分ボケている祖父のモノローグが最高にイイです。 タイトルがなんともビミョーですが、それを裏切る読みゴタエと読後感の良さがありました。 三羽省吾さん面白い!! 2014/10/12

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