内容説明
命をもてあそばれてたまるか!老人たちの戦いがはじまった。不眠症の人々、チビでハゲの医者、そして真紅の王…。役者はそろった。生命の謎をめぐる最終戦争がはじまる。壮大にして緻密な力作、感動の閉幕へ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
12
前回の投稿のあらすじ。ローランドは「そんな余裕はねえやな」と「不眠症」をゴミ箱に捨ててしまう。*ここから本題。箱から拾い出した「不眠症」を読み終えて(最終部は例にもれず怒涛読み)、「IF」の世界に思いを馳せる。「ダークタワー」終盤の旅に待ち受ける危機のいくつかは回避できたのか? <カ>(「意図」と「偶然」がウロボロスのように循環しているもの・・・をイメージしてみてください。私はよくわからないけれど)が途絶えていたら、「さもありなん」と思う。ただ旅の後で読んだ方が「ほほう」と楽しめると思う。ゴミ箱は正解だ。2022/10/30
アーチャー
9
キングの作品では普通の出来かもしれませんが、彼らしい展開に慣れている私はやはり楽しめました。因みに文庫版の解説をどうしてあの人に依頼するのか、そのセンスが理解できませんでした。これでは作品が一気に台無しです。2008/06/15
ベック
6
老人が主人公なのである。彼らのスローペースだがウィットを忘れないささやかな日常が描かれてゆく。おもしろいのは敵、味方、正義と悪の対比が曖昧にボカされている点だ。読者は登場人物と同じように何が正しいのか、何が間違っているのか、ああでもないこうでもないと暗中模索状態で読み進めることになる。しかし本書はけっして見切り発車で書かれた作品などではない。さまざまな伏線がラストで結実する構成や、主人公ラルフが体験する別次元の描写の緻密さなどはいきあたりばったりで描けるものではないからだ。本書のキーワードは偶然と意図。2005/10/14
トムトム
4
ダークタワーシリーズを読んでいないと、設定や用語が分からない。だから昔読んだ時、面白くなかったんだ!2019/07/31
ぼや
4
命と時間。老いと運命。この小説のようにこの世界を何か大きな存在が操っていて、それに抗えないとして、それは悲しくてやりきれない事なんだろうか?死は受け入れ難く、だけどこの世でたった一つの真実。長いように感じる私達の人生が、他の存在からすれば短く、とるに足らないものでも、善く生きるしかないんだろう。自分の、誰かの善意を信じ行動するしかないんだろう。死ぬことは怖い。だけど誰かにバトンを渡せたらいい。それがショートタイマーの生き方なのかも。他はどうなんだろう?そんな事をとりとめもなく考えた。すごい本読んだ!2018/05/02