出版社内容情報
英国ヴィクトリア朝時代、妄想を抱いた紳士たちが集う館で展開する性への幻想を巡る物語は、その語り手も巻き込んで意外な方向に
内容説明
性妄想を抱いた紳士だけが招かれる謎の屋敷で“語り手”が語り、かつ参加する奇っ怪な物語の行方は?理性も妄想も超えた物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
15
★★☆☆☆ ビクトリア朝のある屋敷が舞台。そこへ訪れる様々な性妄想を持った客と、"語り手"が関わっていくという趣向のストーリー。何ともメタフィクション風な一作というか、実験的な作風ですらある。書かれていることは至って官能的であるけれども、エロいというわけではなく、むしろ気品すら感じられる。全編にわたり、哲学じみた言い回しが延々と続くあたりは好みが分かれるところ。試み自体は面白いし、こんなのを書けてしまう著者は凄いと思うものの、面白いとも言い切れない不思議な読み心地の作品。2020/07/07
なまねこ
2
女性化願望やSMなど、様々なエロスを真面目に?書いた物語。最後に語り手が語り手でなくなったとき、言葉遣いが豹変する辺りは吉本新喜劇風味で、個人的にはない方がよかったと思う。表紙の絵もよく見るとエロスです。2010/01/12
kinaba
2
後宮小説が面白かったので他も読んでみようと思って。またまた変な設定「語り手」、だけど物語の骨子はオーソドックス。面白い2009/08/28
isnull
2
著者名で中を見ずに借りたら、エロスだった。 エロいが、理屈っぽい。2009/06/19
読書国の仮住まい
1
ヴィクトリア王朝期、そのとある屋敷に奉公するメイドが語り手となって物語は進む。 最初のパートではご主人のアーサーの初めてのお相手。 2つ目のパートでは、女性の身体を有したいというお客さまの願望を満たしていく。 3つ目のパートでは共に屋敷で働くメイドの一人に、性的な調教を施していく。 全く女性らしさがなかった彼女がその芽を開く。 4つ目及び最終パートではサキュバスに取り憑かれたアーサーの、その除霊?に挑む。 語り手の立場を離れると、また違う世界に展開。 ルイス・キャロルことチャールズ・ドジスンさらっと登場。2021/02/07