出版社内容情報
奥手な娘史子は、本を読むことで男を知り、想像の中で男と関係し、書くことで現実に男を愛した。著者の告白にも似た、自伝的短篇集
内容説明
母を疎み友を憎みながら、愛を、非凡な世界を、称賛の言葉を渇望した青春の日々―。「林真理子」を切々と投影した待望の秀作。
目次
本の家
遠い街の本屋
文学少女
痩せぎすの男
往復書簡
影のないマリア
本の葬列
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
50
自分の心に正直なのかもしれない。欲しいものを手に入れたいという欲望。我が身を切り売りするかのような仕事。どこまで本当でどこから違うの…と野暮なことを聞いてみたくなってしまったが、疎ましく思う母の人生を知ることで、どこかに自分を見つけたかもしれない。私も自分の生き様を振り返って面白い人生だったと言える生き方をしたいと思う。2016/02/08
もと
2
著者自身が投影されていると思われるヒロインの連作短編。林真理子はやはり小説が上手い。長編も好きだけど、短編の切れ味もすごいと思う。ほかのことはせずに、小説だけ書いてくれていればいいのに・・・2024/08/13
ひなこ
2
ほしいものはほしい的な主人公のセリフが胸にきました。2015/01/13
ophiuchi
2
妻が借りた図書館本。本屋の娘だった平凡な女性が作家になる話で、年代は違うが生い立ちは著者と重なっている。約20年前の本で、著者はすでに売れっ子。初めての「文學界」連載で、露悪的なのは計算ずくか?2012/12/20
Muji
1
影のないマリアは泥々した昼ドラのイメージでどうでもいいや。不倫の原因はこんな感じなんだなー、おばちゃんが好きそう……。それまでの話は楽しめた。それにしても主人公ムッツリすぎでしょ笑。林真理子の自伝的小説って聞いたんだけど改めて作家は大変だなーって思わされた。めっちゃテンポ良く作家になっちゃってたけどね。自分の書いた原稿を初めて目の前でじっと読まれるって考えただけでうわーっ!!ってなる!2013/01/25