出版社内容情報
六十九歳の病院長が患者の少年との交渉から回想される若き日の情景と現在の老境とを見事に対比させた芥川賞受賞作と三篇の作品集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirayama46
4
4編収録の短編集。表題作と「川のない街で」の二編は閉塞感とまではいかないものの、抑制というよりは抑圧に近いものを感じる筆致が印象的でした。本書でいちばん長い「思想と無思想の間」は軽妙さと英国的なアイロニカルさを併せ持つ親しみやすい物語で、これで本が終わっているので読後感はわりにすっきりしていました。2022/12/15
