出版社内容情報
中国の古典文学、漢詩の名篇が我われ日本人にもたらした影響とはなにか。文化波及の側面を異常心理学の視点から、縦横無尽に論じる。本書は中国古典に関連の深い三人の作家、幸田露伴、中島敦、井上靖と三人の中晩唐の詩人、李賀、李商隠、温庭?の生涯や作品を、著者の専門とする異常心理学、性格類型学の視点から論じたもの。
中心気質の露伴、失調気質の中島敦、李賀、循環(躁うつ)気質の井上靖。かれらの作品群が、いかに自己の気質に支配・影響されたか、または、いかにそれから逃れたかを分析。李賀を敬慕した李商隠が李賀の魅力ある作品群に巻き込まれまいとして、定型詩をつくったのではないかと推論。
これまでにない作品理解の視座を提示している。
塚本 嘉壽[ツカモト ヨシヒサ]
著・文・その他
内容説明
異常心理学者が畳語、平仄押韻を手がかりに、創作活動の秘めたる源に大胆に迫る。
目次
第1章 幸田露伴―日本人にとっての平仄
第2章 中島敦―日本人にとっての押韻
第3章 井上靖―畳語(擬態語)について
第4章 李賀と李商隠
第5章 李商隠と温庭〓(いん)その一
第6章 李商隠と温庭〓(いん)その二
著者等紹介
塚本嘉壽[ツカモトヨシヒサ]
1943年、東京に生まれる。京都大学教育学研究科博士課程中退。埼玉大学名誉教授。専攻は異常心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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