憂愁の紫式部

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  • サイズ 46判/ページ数 176p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784160089112
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

この思いの恥ずかしさ、悔しさ、どうしてくれましょう――

中宮彰子に仕えつつ『源氏物語』を執筆する流行作家・紫式部。鋭い観察眼ゆえに見えてしまう、うき世の美醜。独白体で綴る中編小説



『紫式部日記』を再解釈し、紫式部本人の内面を描く

――殿(道長)と私とのことは、お互い恋などとは思ってもいませぬ。

――諸々のことを気にせず宮仕えに励み、楽しんでもいる女房たちが、心底羨ましい。

――宮使えとは、己の心の醜さがあぶり出されてくるところでもある。

――この世に恋という媚薬がなかったら、想像するだにわびしいものであろう。

――物語とは、まこと、この世の写し絵に相違ない。

――心から神仏を信じきってはいないゆえ、……この憂きことは拭い払えないのだ。