新☆ハヤカワ・ＳＦ・シリーズ 生まれ変わり

リュウ，ケン【著】〈Ｌｉｕ，Ｋｅｎ〉/古沢 嘉通/幹 遙子/大谷 真弓【訳】

早川書房（2019/02発売）

• サイズ 新書判／ページ数 560p／高さ 19cm
• 商品コード 9784153350434
• NDC分類 933
• Cコード C0297

出版社内容情報

悪しき記憶を切除する技術をもつ異星の訪問者により、人類は生まれ変わった。表題作ほか、アジアの工場で過酷な労働に従事する少女の不思議な体験を描いた「ランニング・シューズ」など20篇を収録、現代ＳＦのトップランナーによる日本オリジナル短篇集第３弾

内容説明

わたしは過去の自分を捨て、生まれ変わった…。地球に到来した異星の訪問者トウニン人と共生することになった人類は、大いなる代償と引きかえに、悪しき記憶を切除して新しい自分に「生まれ変わる」道を選ぶことが可能になった。トウニン人のパートナーをもつ特別捜査官の男がトウニン人殺害テロの謎を追う表題作、アジアの田舎の靴工場で女工として働く少女の数奇な運命を描く「ランニング・シューズ」、謎の僧に見出され殺し屋としての人生を生きることになった唐の将軍の娘の物語「隠娘」など、短篇小説の名手ケン・リュウが描く、２０篇を収録した日本オリジナル短篇集第三弾。

著者等紹介

リュウ，ケン［リュウ，ケン］ ［Ｌｉｕ，Ｋｅｎ］
１９７６年中華人民共和国甘粛省生まれ。２０１１年に発表した短篇「紙の動物園」で、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・世界幻想文学大賞という史上初の３冠に輝く。中国ＳＦの翻訳・紹介も積極的におこなっている。アメリカ、マサチューセッツ州在住

古沢嘉通［フルサワヨシミチ］
１９５８年生、１９８２年大阪外国語大学デンマーク語科卒。英米文学翻訳家

幹遙子［ミキヨウコ］
英米文学翻訳家

大谷真弓［オオタニマユミ］
１９７０年生、愛知県立大学外国語学部フランス学科卒。英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[starbro]

ケン・リュウ３作目です。前二作同様、ＳＦの枠に囚われない多様（ミステリ、歴史、純文学等）な作品群の日本向けオリジナル短編集、読みごたえがあります。オススメはユーモラスな「化学調味料ゴーレム」、神々三部作、ラストの「ビザンチン・エンパシー」です。

2019/05/25

[ケイ]

ケンリュウ氏三作目。作者の優しい視線がどの作品にも感じられるのに、読んでいると重苦しさを覚える。存在する問題を直視し、それを表現する手段がSFで、そのSFの中でも地球人以外とのコンタクトで問題を浮かび上がらせたり、解決のきっかけとしたり。そういう中での、タイで働くカンボジアから連れられてきた娼婦について、彼がつついてきたところは興味深く思えた。とはいえ、全体的にずっと同じトーンなので、4作目が出ても、もういいかなという気になった。

2019/04/22

[Panzer Leader]

ケン・リュウの作品はＳＦなのにどうしてこんなに心に染み渡るのかと考えるに、最新のＶＲを語ろうが中国歴史物を背景にしようが、人の心の機微を描いているから。はっきり言って前2作よりも重々しくて読みにくい、特に前半は数学的・科学的素養が無い自分の理解を超える作品が続くが、後半に行けば行くほど面白くなる。特に「神々シリーズ」や「隠娘」が自分の好みだった。

2020/01/06

[星落秋風五丈原]

「化学調味料ゴーレム」冬休みに両親と宇宙船でニュー・ハイファへ旅行中のレベッカは、突然神から話しかけられてびっくり。船内の鼠を全て捕まえないと、天敵のいないニュー・ハイファで鼠が大増殖する。かつ、ニュー・ハイファにある、人間に影響を与えないウィルスが、鼠を介して蔓延するというのだ。 「鼠だって神様の創造物の一つじゃん」としごくまっとうなことを言うレベッカに対して神はあれこれとごまかしつつ、鼠退治のためにゴーレムを作るよう命じる。しかし当然の事ながらユダヤ人には安息日があり、いろいろと禁止事項がある。

2019/12/25

[keroppi]

様々な発想が生み出したSF作品集📙📈☔️絵文字を多用した「神々の〜」の連作が特に❤️🐱電脳化した人類の描写が、👀👌人の脳味噌😇とコンピュータ💻が、融合していく。遥かな時を過ぎていく「七度の誕生日」も👍ふと、「火の鳥 未来編」を思い出した。😍

2019/07/20