出版社内容情報
古田織部の自死から十八年――上段末尾に「遊びをせんとや」、下段末尾に「これにて仕舞」と記された、織部最後の茶会の指示書が見つかる。この席に誰が招かれ、これは何を意味するのか? 毛利家内での諍いに苦しむ中、茶の弟子である毛利秀元が真相を探る。
内容説明
慶長二十年、茶人の頂点にたつ男が自裁して果てた。徳川家康の命を受け、毅然と死出についた男は、古田織部の名で呼ばれていた。十八年後、織部末期の茶会記が見つかり、末尾に「遊びをせんとや」の文字が。織部はなぜ死なねばならなかったのか、師と仰ぐ毛利秀元は、その真相究明に乗り出す。驚くべき人物が浮上する中、秀元自身には、毛利本家との間で武人の誇りをかけた戦いが始まろうとしていた―人が生きる意味を問う渾身の歴史小説。
著者等紹介
羽鳥好之[ハトリヨシユキ]
1959年生まれ。群馬県前橋市出身。早稲田大学仏文科卒。1984年文藝春秋に入社し、「オール讀物」編集長、文藝書籍部長、文藝局長など小説畑を歩む。2022年文藝春秋退社後、『尚、赫々たれ 立花宗茂残照』(早川書房刊)にて作家デビュー。多数の新聞、雑誌、情報サイトで高く評価される。同作で第12回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
128
徳川の天下が落ち着いた三代家光の時代、戦国を知る武将は鬱々たるものを抱えて生きねばならなかった。その1人である毛利秀元は、かつて茶道の師匠である古田織部が突然切腹を命じられた一件が心に引っかかる棘となっていた。そんな秀元が織部の残した掛け軸を入手したことから、家康や秀忠と秘かに戦っていた師の真実が明らかになっていく。上から押さえつけられる窮屈な安定期に順応するか、世を乱してでも自由に生きるため反抗するかを選ばねばならない時、人はどう決断するか。誇りをもって死を選んだ織部は、徳川への最後の叛逆者だったのか。2024/03/29
kawa
28
主人公は毛利家支藩の長府藩主・毛利秀元。物語は、茶の湯の師匠で家康から切腹を命ぜられた古田織部の死の謎、親藩・毛利藩からの独立の企て、寵愛する太夫・白菊の謎の失踪。3つのストーリーが並行に、ミステリー仕立てで進む重厚な物語。前作の「赫々【かくかく】たれ 立花宗茂残照」同様、家光治世のマイナーでニッチな設定、物語へ入り込む敷居は高いのだが、一旦あちら側に着地できれば、めくるめくるの羽島マジックにやられること確実。「赫々」と合わせてさらに再読すれば、なおまた楽しめそうな予感満点の作品。2024/07/21
Mc6ρ助
21
だれかと思いきや、羽鳥好之さん、あの「尚、赫々たれ」のお方でした(西国無双、立花宗茂さん、今回も友情出演)。そうと知ると、モテモテ主人公(しかも年上お姉さんに)も諾なるかなでした。げにおそろしきはやはり家康ダヌキだったのでしょうか、権力者に逆らえない中間管理職の悲哀が漂ってくる逸品でした。2024/10/19
マッピー
20
む、難しいよ、この本は。歴史上の有名な人物は、ある程度名前がわかるのですが、さすがに役職までは把握できてるとはいいがたく、「飛州」とか「甲斐」とか「総見院」とか言われるたびに、誰だっけ?ってなる。小難しい割に話が進まないというか、小難しいから進まないのか。そして苦労した割に、カタストロフィがない。ぶっちゃけ、家康は実用本位の遊びのないつまらん人間で、茶人たるもの、権力に負けて自分を曲げるなというのが、利休と織部の心意気ということでいいんですね? 2026/03/31
信兵衛
20
歴史&ミステリ、さらに生き方まで論じた力作。お薦めです。2024/03/22




