プラチナ・ファンタジイ
ペルディード・ストリート・ステーション

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  • サイズ B6判/ページ数 662p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152090430
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

異端の科学者と翼を奪われた〈鳥人〉の冒険を、唯一無二のスケールで描くダーク・スチームパンク。「バス=ラグ」と呼ばれる蒸気機関と魔術学が統べる世界で、最大の勢力を誇る都市国家ニュー・クロブゾン。その中心には巨大駅ペルディード・ストリート・ステーションが聳え、この暗黒都市で人間は鳥人や両生類人、昆虫型や植物型の知的生命体と共存していた。大学を辞め、独自の統一場理論の研究を続ける異端の科学者アイザックは、ある日奇妙な客の訪問を受ける。みすぼらしい外套に身を包んだ鳥人族“ガルーダ”のヤガレクは、アイザックに驚くべき依頼をする。忌まわしき大罪の代償として、命にもひとしい翼を奪われたヤガレクは、全財産とひきかえにその復活をアイザックに託したのだった。飛翔の研究材料を求めはじめたアイザックは、闇の仲買人から、正体不明の幼虫を手に入れる。そのイモ虫は特定の餌のみを食べ、驚くべき速さで成長した。そして、成虫となった夢蛾スレイク・モスが夜空に羽ばたくと、ニュー・クロブゾンに未曾有の大災害が引き起こされた。モスを解き放ってしまったことから複数の勢力から負われる身となったアイザックは、夢蛾を追って、この卑しき大都市をさまようことになる。翼の復活を唯一の望みとするヤガレクト共に…英国SF/ファンタジイ界、最大の注目作家であるミエヴィルが、あらゆるジャンル・フィクションの歴史を変えるべく書き上げたエンターテインメント巨篇。アーサー・C・クラーク賞/英国幻想文学賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すけきよ

13
超好み!グロテスクで猥雑な過密都市が舞台の箱庭小説。ストーリー自体は単純に怪獣(巨大生物)パニックもの、というテイストなんだけど、次々に出てくる本筋に関係ないアイデアが魅力的。SFでしかあり得ないガジェットとファンタジーのガジェットが接合され、つなぎ目はけっして滑らかではなく、呆気にとられる事もしばしば。でも、そのいびつな傷跡に、まさに作中に出てくるリメイドように目が惹きつけられる。キャラクターたちも、ファンタジー的予定調和な行動をすると見せかけて、街全体を覆う残酷な影からは逃げられない。2009/07/03

ジョジョ

7
チャイナ・ミエヴィルはいつも舞台になる都市自体が主人公。あたりまえのように地名が出てきて最初はしんどいんだけど、ニュー・クロブゾンの地図にメモを書き込んでいくと、200ページ過ぎたあたりで一気に頭の中で都市の全体像が構築される…!その後はもう読む手が止まらなかった2016/12/19

有無(ari-nashi)

6
科学と魔法というより、ガラクタと公害とまじないとミュータントが溢れる、貧富の差が激しい独裁体制の大都市が舞台のダークファンタジー。恐怖と悪夢を振り撒き都市を脅かす化物を仲間と共に倒すシンプルな物語。シビアでグロテスクで想像を絶する世界設定なので、なかなか王道とは言い難い。結局、都市やその体制だけ残り、主人公たちには何も残らない結末だけれど、収まるべき所に収まった結果なのかな。2013/10/24

スターライト

6
ニュー・グロブゾンを舞台にした、スチーム・パンクともダーク・ファンタジイともいえる大作。科学者アイザックと彼の恋人であるリンはそれぞれある依頼を頼まれるが、それが都市国家ニュー・グロブゾン全体を巻き込む騒動へと発展していく。「危機エンジン」という屁理屈のような理論(?)で動く機械を製作しようとするところは、マッド・サイエンティストものをほうふつとさせ、思わずニヤリ。しかし、本書の最後は苦い結末を迎える。アイザックとリン、そしてヤガレクらのその後の物語も読んでみたい気がする。要注目の作家。2011/01/16

ウシ

6
すげー楽しい。好き!!!描写されてるまんまが頭にパッと絵として浮かぶんだけど、「え、これで合ってるの?!」って読み直した箇所が頻出したりして、読むのにやたら時間かかった。いやー楽しい。ゲームの設定資料集読んでて、「何故この設定をもっと活かさなかった・・・!」と思うことが良くあるんだけど、活かすとこうなっちゃうのか。そりゃできんわと納得。シリーズ化されてるってことは、作者は細部まで設定覚えてるってことで・・・凄い。著者近影見て、コレ書いたのがこのおっかなげな兄ちゃんかと思って妙にニヤニヤした。2010/09/01

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