内容説明
新生代は哺乳類の時代といわれる。恐竜絶滅以後、哺乳類は数も種類も個体の大きさも急速に増加し、角を生やしたもの、鼻や首をのばしたもの、甲羅に覆われたものなど多様性に富んだ姿で地球を彩り、現在までつづく哺乳類の楽園を築きあげたからだ。ではなぜ白亜紀以前の哺乳類は小さいままだったのか?なにが哺乳類の進化を後押ししたのだろうか?この謎に多くの科学者たちが挑んできた。かの有名な中傷合戦を繰り広げたマーシュとコープ、その二人が遺した化石と地位をまんまと手に入れたオズボーン、革命さなかのアルゼンチンまで化石掘りに出かけたシンプソン…彼らの挑戦は太古の生き物に負けず劣らず個性的で刺激的だ。イェール大学のピーボディ自然史博物館に掲げられた壁画『哺乳類の時代』から着想を得て、驚くべき哺乳類の進化史・研究史をジョン・バロウズ賞受賞の著者が壮大に描き出す。
目次
壁画と化石と
カタコンブの厚皮動物
ジキル博士とストーンズフィールドの顎
哺乳類の起源
高貴なる征服
恐ろしい角と鈍い脚
ミスター・メガテリウムとプロフェッサー・ミロドン
地の果ての火獣
巨獣の行進
五本指のウマとミッシングリンク
姿を見せないドーン・マン
獣のナポレオン
愛と理論と
キノドンからスミロドンまで―シンプソンの総合説
移動する大陸
祖先をたどって
動物相を吹き飛ばす衝撃
シェルハンターの逆襲
よみがえるシンプソン
キジルクム砂漠の風泥棒
蛇が差しだす果実
真猿類をめぐる抜きつ抜かれつ
エピローグ 新生代の自然公園
著者等紹介
ウォレス,デイヴィッド・R.[ウォレス,デイヴィッドR.][Wallace,David Rains]
1945年ヴァージニア州生まれ。サイエンス・ライター。ウェスリアン大学で文学を、その後ミルズ大学で英語と生物学を修める。「クリアクリーク・マガジン」、「ウィルダネス」、「サンフランシスコ・クロニクル」などに科学記事を執筆し、1984年にはThe Klamath Knotで自然史分野の優れた著作に与えられるジョン・バロウズ賞を受賞。『哺乳類天国』は、化石哺乳類を主題にした貴重な作品で、「ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー」の2004年のノータブルブックに選ばれている
桃井緑美子[モモイルミコ]
翻訳家
小畠郁生[オバタイクオ]
1929年生まれ。理学博士。国立科学博物館名誉館員(元地学研究部長)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆずこまめ
takao
Tatsuya
arcturus
黒胡麻