ビーチ

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  • サイズ B6判/ページ数 457p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784901142038
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

主人公リチャードは、イギリス生まれの22歳。ベトナム戦争の映画へのあこがれを胸に、アジアを旅している。タイのホテルで隣あわせた、バッグス・バーニーと名乗る奇妙な男は不思議な会話をした翌日、「ビーチ」への地図を残して自殺した。―そして伝説の楽園「ビーチ」を探す旅は始まった。やがてたどりついた弧島には、ラグーンに大きく囲まれた美しい楽園が―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

292
カオサン通りから、サムイ島を経てパンガン島へ、そしてまだ見ぬ幻のビーチへ。欧米のビーチ・フリークたちの願望は一見果てしがない。ロンリー・プラネットに書かれるようになれば、そこはもう俗化の極みだ。そもそもカオサンで噂されるようになれば、もう終わりだ。かといって、彼らは誰もいない無人の究極に美しいビーチを求めているのではない。少数の仲間たちとのいわばヒッピー・コミューンを求めているのだ。外圧を待つまでもなく、それは内部崩壊の予兆を最初から内包していただろう。文学的には、最終章の「ゲーム・オーバー」がベストか。2017/01/03

ケイ

128
リチャード達は、反省するだろうか。自分たちが、他国を凌辱したことを。他人の国のビーチをまるで我が者のように占拠する。その国をドラックと病気の蔓延したところだと呼ぶ。大きな子供達が場所を占拠して、自分たちのルールを作り出し、そして投げだす。そこに作者は何かを訴えようとしたのだろうとは思うが、内容も訳も読ませるものには遠かったように思う。映画化されたG1000の中には、名作でないものも多いなと再認識。2016/10/11

まふ

102
ベトナム戦争後(?)の欧米白人ヒッピーの楽園の生成、発展、混乱、消滅を描いた物語。大麻と快楽を求めて集まる若者は数十人規模で「勝手コンミューン」を作り自足自給の生活を始めるが、そこには機能の分担とリーダーの指揮命令が生じ「社会」が形成される。だが、基本は異国の島を違法占拠するわけだから永続するはずがない…。本書はこの流れを「忠実に」描き、最後の崩壊を劇的に描写する。こうした原始共同体には卑弥呼的女性リーダーが似合うなぁ、と思ったりした。G619/1000。2024/09/25

扉のこちら側

86
2017年129冊め。【277/G1000】彼らが求めたのは誰もいない地上の楽園ではなく、ただ自分達にとって都合のいいコミュニティ。ドラッグとセックスと暴力と、やることは荒っぽくても子どものダダのようなものに見えてしまった。自分たちの理想郷を求めるという設定の物語は昔から好みなので、もう少し洗練された物語を期待しすぎてしまった。冒頭の「バンコク」での導入はよかったのだけれど。そして映像はさぞ美しいのだろうな。 2017/02/11

Э0!P!

7
ときどきあるタイプのパラダイス系ディストピア小説である。若者版「蝿の王」とでもいうべきか。異国の地に未来永劫続くパラダイスを求めてはならない。許されるのは、飽和による荒廃か現地人の怒りによる壊滅のいずれかがくるまでの期限付きのお遊戯でしかないからである。束の間の興奮と潰走、これがアジアの密林における白人の運命であり、次第に一人でに狂っていったアメリカのベトナム戦争の歴史をなぞるものでもある。世界は偽りの楽園を破壊しにやってくる。2024/03/30

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