感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
15
ハヤカワ版夢幻紳士、再読。ちょっとお茶目で優しい夢幻魔実也の(たった!)一日の物語。後の重要キャラクター・手の目も初御披露目。幻想篇とはうって変わって、毎回登場する妖怪たちも賑やかでいい。おかみさんも、もしかして妖怪なんじゃないだろうか?2013/11/28
烟々羅
14
今日は漫画より文章のほうがとっつきやすい体調、だったのだが。購入検討にひらいて、先日に単行本再読したばかりの「手の目」の数代先祖の「手の目」をみつけて頭からよみはじめ、「毛羽毛現」、「陰魔羅鬼」の葉介解釈にノックアウトされて購入。男は取殺すのみだが、女は取憑く。コワイコワイ。 この怖さが実感としてわかったのはこの三年あまりなので、リアルタイムの2006年では他人ごとのユーモラスな読書に過ぎなかったろう。 ……正確には、女は殺されるのを恐れるが男は憑かれるのを夢想して恐れる、なのだろう。そうであってほしい2013/08/14
澤水月
13
安楽椅子探偵ならぬお座敷(呑みっぱなし)妖怪ハンター! しかもタラしっぷり最高潮の夢幻魔実也さまは妖しき舌一枚で欲求不満に凝り固まった女をあれやこれや2頁くらいで陥落! 幼女をひん剥き…! 毛羽毛現は和の黒髪ラプンツェル…参りました! 婀娜な姐さん方の粋筋言葉もありそれでも上品。怪奇にエロに黒髪の情念と好きなものだらけで満腹。連作と意識せずとも読めるのが凄い2015/04/18
なつ
11
早川三部作の第二作。かわいらしい江戸っ子口調な女芸人、「手の目」が登場。料亭で起こる怪奇と、魔実也と遭遇するあやかしたち。ある人の夢、また別の人の夢・・・ 短い間の出来事なのに異様に濃い。夢ゆえに何でもありだからでしょうかね。あとがきでの作者と魔実也との対談もクスリときました。2018/12/30
5〇5
9
美しくも妖しい夢幻魔実也が、妖魔と遭遇する連作集だ ♦舞台は料亭の座敷であり、そこにあやかしたちが引き寄せられてくる ♣夢幻は、それらをいとも容易く退けていく ♥霊力で闘うでも、調伏するでもない。祓うことさえしない ♠特に何もしない希有な妖怪ハンターであり、クールなその魅力が存分に発揮された一冊だ。2022/08/08