感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
93
私の好きな人が切っ掛けで手に取りました。生まれて3ヶ月の子猫が荒野に捨てられ野生の猫として生きていかなければならないその一生を描いた作品。徐々に野生の本能を目覚めさせながら厳しく無慈悲な自然の中を彷徨い生きていく様は心が痛む。けれど書かれる文章は淡々としていて、作者のありのままの自然を、現実を見詰める真摯な眼差しを感じる。荒野を生きる猫が可哀想だと思う一方でそれは人間の勝手な都合、思い込みだとも感じていて何だか自然と言うものに拒絶されたような気がしてしまう。140頁の獣医の言葉が突き刺さる。2018/08/28
あじ
51
【1978年刊の児童書】誕生して12週間で捨てられた子猫。人間への不信を抱きつつも忘れられぬ愛情を拠り所に、終の棲家を求めてさすらう猫の生涯を追う。身近な所に“野生”の存在があることを、気づかせてくれる物語だ。★初見健一/著「昭和こども図書館」にて知る。課題図書に指定された事で、多くの子供たちの記憶に残る作品。2017/08/31
♪みどりpiyopiyo♪
22
これも、小学生の頃に読んで印象的だった本です。ネコの気持ちで書いてるようで、そこが良かったのかも知れません。■飼いネコから野良ネコになったネコの一生。過酷な自然の中を精一杯生きて、死んでいくまでのドラマ。あまりにも淡々と、決して擬人化などせず、ありのままの野生の猫を見つめます。自然の脅威や人間の残酷な面などが怖くて、ハラハラしながら読みました。■野生になりきれない捨て猫。最後まで見届けたいと思わせる話でした。
たまきら
22
読み友さんの感想を読んでいて、小学生の時この本が家にあったのを思い出しました。猫や犬といった人間を信じている動物を捨てる。動物を愛する人にとっては軽蔑することしかできないこの行為を受けた1匹のネコが生き残り、様々な出会いと別れを繰り返して居場所を見つけ、怒涛の生涯を終えるまでを描いた作品です。小さいころ泣きましたが大人になっても泣けます…。2016/07/02
紅花
15
悲しい〜悲しすぎる〜むない(虚しい)〜本を読み終え、本を閉じた時娘(小5)が叫んだ。安楽死の場面が心に残ったらしく、その後色々質問された。2016/02/20