Hayakawa novels
誇りは永遠に

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152084699
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1914年春、パリで警察署へ放火した容疑で手配されている無政府主義者の青年が、ロンドンで拘束された。身柄引き渡しの裁判が始まるが、青年は弁護士を通してある告発をする。自分をフランスへ引き渡すなら、英国王室の驚くべきスキャンダルを暴露するというのだ。いち早く情報をつかんだランクリン大尉は、ただちにその青年、グローヴァーの弁護士に接触する。やがて入手した「スキャンダル」の中身は―彼は、自分が現英国国王の息子であり、王位の継承者であると言うのだ。若き日の母親が、ポーツマスで海軍勤務だった頃の皇太子と情を通じた証しが自分である、と。しかも、当の母親は息子の言葉を裏付ける手紙を残して、突如失踪していた。ランクリンたちの調査でも、それを否定するような事実は発見されない。では、告発は真実なのか?だとしたら、いったいどんな影響が?国王のフランス公式訪問を間近にひかえ、スキャンダルの可能性に震撼した王宮は、情報局に圧力をかける。何としても真相を探り出し、もしもそれが真実ならば、闇に葬りたい。ランクリンと相棒のオギルロイは、いつもと勝手の違う仕事に戸惑いつつも調査にあたる。だが、グローヴァーとその母親の背後には、フランス無政府主義者たちの影が見え隠れしはじめた…。激動の時代に、誇りのために、そしてまた時には誇りを捨てても、熱く闘う人々の姿を描く、巨匠の渾身作。『スパイの誇り』『誇りへの決別』『誇り高き男たち』に続く冒険スパイ小説シリーズ最新刊。

著者等紹介

ライアル,ギャビン[ライアル,ギャビン][Lyall,Gavin]
1932年英国バーミンガム生まれ。1961年に『ちがった空』でデビュー後、冒険小説の傑作を次々と発表

遠藤宏昭[エンドウヒロアキ]
1952年生、早稲田大学第一文学部英文科卒、ブリティッシュ・コロンビア大学大学院修士課程修了、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

橋川桂

13
シリーズ三作目を読んでから間が開いてしまったけれど、すんなり入り込めた。英仏関係を揺るがしかねない王室スキャンダルへの対応を迫られる話。原文からそうなのか翻訳のためか、第一次大戦直前という時代が舞台ながら、古めかしい言い回しなどなくて、すいすい読める一方、登場人物たちの言葉の端々にやはり動乱の時代の気配がにじむ。2018/12/17

鐵太郎

13
今回のネタは、歴史ヲタ的に言えば天一坊事件です。誰の御落胤なのかというと、なんと英国王室の男子としては希有なほど真面目という評判を取っていた当時の国王、ジョージ5世。はたして現れた男はほんとうに国王の血を引く息子なのか。時は1914年始め頃。マシュー・ランクリン大尉、39歳。○装させられたオギルロイとか、ライアル独特のユーモアが楽しい逸品なのですが、これが遺作になってしまったのは残念。2010/05/23

魔魔男爵

2
「いかにもふさわしい人間が暮らし、いかにもふさわしい内装が施されたような部屋は、ただ気楽に仕事をさぼるためのものである。真の仕事がなされる部屋というものは、あらゆるものがちぐはぐで、臨時の仕事場にしか見えないものである」ジェンダーものとして主人公が女装に目覚める素晴らしさ!ライアルが生きていればゲイの男同志のセクスも書いたに違いない。ライアルを越えた冒険スパイ物はまだないのか?2011/05/18

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