内容説明
東京湾から英国人女性の死体が!日本で暮らした気鋭の女性作家が甘美な罠を仕掛ける心理サスペンス。ルーシーによって語られる禎司、リリーとの恋愛をめぐる歪んだ感情と悲劇。そしてその語りの中に仕掛けられた甘美な罠。東京を舞台に描く芳醇な心理サスペンス。2001年度英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作。
著者等紹介
ジョーンズ,スザンナ[ジョーンズ,スザンナ][Jones,Susanna]
1967年イギリスのヨークシャー生まれ。ロンドン大学在学中は演劇を専攻、「劇場の起源」というテーマで研究し、「能」や日本の伝統文化、仏教を学ぶうちに日本全般に興味を持つ。大学卒業後、日本の文部省の制度に参加して名古屋の高校で英語の教師を一年間務める。1994年に再来日して千葉県の中学と高校で二年間英語を教えるが、その後、マンチェスター大学大学院で一年間創作コースを学び、三度目の来日では東京で二年間NHKラジオなどで働いた。2001年、『アースクエイク・バード』で英国推理作家協会賞最優秀新人賞(ジョン・クリーシイ賞)を受賞した
阿尾正子[アオマサコ]
横浜市立大学文理学部国際関係学科卒。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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紅はこべ
71
映像化されたそうなので、日本で観られるかどうかわからないが、積んでいたのを読んだ。作者は日本滞在経験があるそうなので、とんでもニッポン本ではない。日本名の漢字は作者の指示か、それとも訳者の方が考えたものか。同じ島国でありながら地震のない国英国出身のヒロイン。ブロンテ姉妹の故郷ヨークシャー出身なのね。彼女の愛する日本人青年の魅力がイマイチわからないのだが。恋の喜びより、締め付けられるような孤独感がまざまざと描き出される。リリーはイラっとするキャラだ。ミステリとしては、事件の真相はおぼろ。本当に犯人はあの人?2018/06/19
星落秋風五丈原
4
一人称の“あたし”と三人称の“ル―シ―”をわけて使っている。あたしの言っていることはあくまでも主観でしかないから、彼女の言い分を頭から信じることはできない。たしかに彼女のまわりに死が多すぎる。彼女が私たち読者に言わないこと、隠していることがあるんじゃない?と思わせる。2013/07/19
デナーダ
1
東京がリアルに描かれている。2011/01/16