内容説明
初めて明らかになった失踪直後の手紙の存在、クリスティーの親友の遺族から得た証言などをもとに、失踪事件の知られざる衝撃の事実を掘りおこす。ミステリの女王として、そして一人の女性としてドラマティックに生きたクリスティーの内面に踏みこんだ話題作。
目次
第1部 愛と裏切り(アイリスの模様の壁紙と羊の群れ;海から来た男;逆境の後の繁栄 ほか)
第2部 疑惑、憶測、曖昧(サイレント・プールの底をさらう;捜索範囲の拡大;捜索はつづく ほか)
第3部 光が消えぬかぎり(二人の共謀者;実りゆたかな十年間;暗い空 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
38
クリスティが最初の結婚の、ある一時期失踪したのは、かなり有名な話です。クリスティの義理の姉の娘などが主になって、真実を明かしたノンフィクションという事になってます。最初の夫に裏切られ、傷ついたクリスティが姿を隠しただけの事。大げさに騒ぐ事とは思えません。知らない振りして、そっとしておいて欲しかっただろうな。最初の結婚で夫に手ひどく裏切られただけで、2度目の結婚では、穏やかな、年下の考古学者の夫と、亡くなられるまで幸せに暮らしたと 信じていたのに、なんと、その夫にも裏切られていた。知りたくなかった。2016/05/01
rokoroko
17
最初の結婚で裏切られて失踪したアガサ。アガサ・クリスティをこよなく愛する著者が伝記のように書き進めている本。ナイル殺人事件など二度目の年下の夫の影響がある著作もあるがまさか二度目の夫にも裏切られていたのか・・ミスマープルやポアロなど多くの人から愛される人物像が描けるのに自らは裏切られて亡くなっていったなんて悲しい2020/08/07
Mana
5
クリスティの謎に包まれた失踪事件で本当は何が起きてたのか。この間のドラマでは実際の殺人事件を推理してたけど、本書ではは夫の浮気に悩んでちょっと行方をくらませただけなのがメディアが騒ぎすぎて出ていけなくなっただけと読み解く。味気ないけど現実はそんなものかなと納得。メアリ・ウエストマコット名義の作品から彼女の壊れた結婚生活で傷ついた心理を読み取った解説をしてるけど、ちょっと強引な気もする。2021/01/26
バーベナ
4
アーチーとの結婚、マックスとの再婚。マックスとは幸せに見えていただけに、彼の「秘書」の存在に複雑な気持ちに。そしてお金の苦労も。作り上げた虚像を一生懸命に守りたかった、そんな切なさが伝わります。2012/08/22
Gen Kato
3
失踪事件だけでなく、アガサ・クリスティーの生涯を知ることのできる一冊。最初の亭主は罪作りなヒトだと思うが、個人的には二度目の結婚の方が哀しい。2015/11/01
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